【週末投稿】つれづれ有用植物#242(ネンジュモ科ネンジュモ属:イシクラゲ)
時々、雨の多い時期に大量発生する事もある陸生藍藻です。
皆様も一度は見たことがあるのではないでしょうか。意外とあちこちに繁殖しています。多数の細胞糸が寒天質基質に包まれた状態で群体を形成し、芝生や土壌、コンクリート上に生育しているを見かける事があります。
イワキクラゲ (岩木耳)、カモガワノリ(鴨川苔)、キブネノリ(貴船苔)、シラカワノリ(白川苔)、アネガワクラゲ(姉川水母)、モーアーサ(毛アオサ)、ハタカサ(畑アオサ)など様々な別名や地方名がある様です。
日本で身近な存在で、古くから食用にされてきました。
藍藻の中には有毒な種も多い様ですが、イシクラゲからは毒は見つかっておらず、また長い食経験からも問題は報告されていないとの事です。
比較的丈夫なゼラチン質であり、吸水すると膨潤し青緑色から黄褐色になり目立ちますが、乾くと黒く皮革状になり、手で揉むと小片や粉末状に壊れるる様になります。
このような乾燥状態でも死んではおらず、仮死状態で生存しています。
なんと、87年間乾燥状態で保存されていたイシクラゲの標本に水分を与えたところ、増殖を開始したとの報告もあるそうです。
日本では炒め物や天ぷら、佃煮、味噌和え、酢の物、みそ汁、懐石料理に使われることもある様です。中国では、イシクラゲは広く市販されています。
■岩の上に宝物があるから、それを採って家で大皿に揚げたんだ
老爸很愛吃 様
https://www.facebook.com/watch/?v=3081763555453991
■駐車場の謎ワカメこと「イシクラゲ」。高栄養と聞いたので食べてみた。(16分)
野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)ch 様
見た目は多少グロいかもしれませんが、意外と料理すると食感が楽しめる様です。
前回の投稿では救荒植物という考え方をご紹介しました。
この生き物は古くから日本人も食文化の一つとして、取り入れられていたものでしたが、今は食の利用として忘れられています。
山菜採りがお好きな方ならぜひ試して頂きたいと思うのです。
一度試して経験されると、いつか何かあった時に自信をもって利用できますから。