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【週末投稿】つれづれ有用植物#257(オトギリソウ科オトギリソウ属:セイヨウオトギリ)

日本では、セント・ジョーンズ・ワート (St. John's wort)という呼び方の方が有名かもしれません。6月下旬の洗礼者ヨハネの祝日の頃に花が咲くことから、洗礼者ヨハネ(St. John)にちなんでいるそうです。

古くは古代ギリシャ時代からヨーロッパの伝統医学に使用されてきた根茎性多年草です。

利用の記録は古代ギリシャにまでさかのぼり、以来民間薬として利用されてきました。ネイティブアメリカンも人工妊娠中絶薬、抗炎症剤、収斂剤、消毒剤として使用してきたという記録があります。

【蕾】
【開花初期】


欧米では抗うつ薬として広く処方されているそうですが、日本では薬事法上、薬効を標榜しない限りは「食品」扱いであり、リラックス効果のあるハーブや健康食品として市販されています。

【セイヨウオトギリソウのお茶(ハーブ)】

■【生産者の暮らし】北海道真狩村でセントジョーンズワートを育てて暮らす齋藤さんの話(5分強)
Natural Island 〈ナチュラルアイランド〉 様

■セントジョーンズワートが咲く季節(6分弱)
まよらな日記アロマ&ハーバルライフ 様

■【メンタルに作用するハーブ】セントジョーンズワートの育て方(15分強)古屋悟司 様

セイヨウオトギリソウ食品は以下の様に注意が必要です。

  • 大量に摂取すると日光過敏症を引き起こす可能性がある

  • 妊婦や授乳婦は使用を避ける必要がある

  • 日本では精神疾患の治療薬として認可されていない

  • 薬を服用している方は、薬の効果を弱くするおそれがある

  • 不眠、不安、口渇、めまい、胃腸症状、倦怠感、頭痛、性機能不全など副作用が起こることがある

多くの薬と相互作用するため、特に薬を服用している人にとっては安全ではない可能性があります。

軽度および中等度のうつ病に対して、プラセボ(不活性物質)よりも有用であり、標準的な抗うつ薬と同等の有用であるようです。ただし、重度のうつ病や12週間を超えるような長期間の効果については、この効果が当てはまるかどうかは明らかにされていません。

厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』 eJIM

併用を気をつける薬として、免疫抑制剤、抗凝固薬、強心薬、気管支拡張薬、抗ウィルス薬、抗悪性腫瘍薬などが挙げられます。
薬局で処方を受け取る時に薬の説明欄に「セイヨウオトギリソウ を含む食品と併用しないこと」などの注意書きを目にすることがあります。

健康食品やハーブは、どのような成分が含まれているか分かりにくい場合もあるので、健康食品を飲み始めたり中止したりする場合は、必ず医師、薬剤師に相談した方が良いと思います。

★セイヨウオトギリソウとオトギリ草の違い

同じオトギリソウ属の植物ですが、種が違います。
セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)はうつ病治療の効果があるハーブで、癌治療からも研究されていそうです。
オトギリソウ(Hypericum erectum)は傷薬効果があるとされている様です。

■オトギリソウ 悲劇の薬草伝説(3分強)
akameeba 様

古くから利用されているハーブですが、現代日本においては薬の併用や妊婦さんなどの注意があります。
少しづつ使いながら、自分に合うのかを調べながら利用されると良いかもしれません。

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