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もぐらコーセー
2021年5月4日 07:14
僕は目が覚めた、薄暗い部屋にカーテンの隙間から強い日差しが差し込む。布団からジャスミンの匂いがした。僕は左腕の中に居るはずのジャスミンを探しす、しかし、この部屋にジャスミンは居なかった。分かっているのにもう一度2人の部屋を見渡す僕、いつもと変わらない部屋なのに今朝のこの部屋にはどうしても現実味がなかった。時計を見ると、もう13時を過ぎていた。僕はカーテンを開け、絵はがきのような雲一つ無い真っ青の
2021年2月26日 19:13
音の無いこの部屋で、僕の腕枕で横になるジャスミンは声を出さずに泣いていた。僕の白いジャージの左袖は、ジャスミンの色とりどりの口紅で汚れていた。ジャスミンは、僕のセーターを着て、自分で涙を拭いながら言う「私なんで泣いているのかわからない。ごめんなさい。何も考えないで。」 ジャスミンが鼻を啜る音が、音の無い部屋に広がる。ジャスミンは僕の手を見つめていた。丸くて大きな瞳で。そのキレイな唇を噛み
2021年2月15日 23:25
玄関が開く音で僕は目が覚めた。とっさにジャスミが来た。そう思った。僕のアパートを合鍵で開けたこの女性は、市川あやめ(イチカワ アヤメ)だった。あやめが部屋に入るなり、凄い勢いで愚痴を話す。家族の事、仕事の事、そして彼氏の事。あやめは、会う度に、いつも同じ事を言う。「東京に来る用事があったから、ついでに来ちゃった。」 僕はいつも、その用事とは何なのかは聞かなかった。もし聞いたら、この関係が壊
2021年3月7日 16:21
なぜ僕がこの小説を書くのか。その理由を皆さんに知っていただきたい。 理由は。“世界で一番大切な人に会いたいからです“ 皆さんは人を愛した事があるだろうか?恋人、家族、友達、ペットでもいい。愛した人の顔を思い出してこの話を読んでいただきたい。 僕も皆さんと同じように一人の女性を愛している。僕はその人の事を考えると、笑顔になって、そして涙が出る。今までの価値観と心と体、その全てが粉々