価値観の相違
私の子育ての中で、一つ後悔したことがあります。
それは、発達に遅れのあった娘に対しての育児方針が、妻と対立してしまったこと。
育児方針の対立
私は、発達障害がはっきりした段階で、すぐにでも療育に切り替えて、娘に寄り添いながら能力を伸ばしてやりたいと思いました。
でも妻は、特別扱いはこの子のためにならない、甘やかすのは簡単だが、将来私たちがいなくなってから困らないよう、普通の子と同じように育てる、と言う。
いや、だから将来困らせないように、この子に合った療育が必要なんじゃないのか?
なぜ、この子だけ扱いを変えるのか、上の子への示しがつかないし、そもそも出来ない子だなんて、思ったことは一度もない。あなたは、学校や病院の先生と同じことしか言わない。
この繰り返し…。
療育に頼らず育てるって、大変なことです。
妻は、日々疲弊して行き、私は自分の考えが取り入れられなくてイライラする。
お互いに、我が子のことを思って必死なんです。
そして、当の本人は言葉が出なくて、意思表示が曖昧。
この争いに、正解はあるのでしょうか?
読んでいただいている皆様なら、どうされますか?
相手の価値観に寄り添う
その子がいなくなってしまったので、もう答え合わせは出来ませんが、今になって思うことがあります。
私は、妻がなぜここまで頑なに考えを変えないのか、わかろうとしなかった。客観的にみてこうだろう、専門家の意見はこうだ、関係図書にはこう書いてある…。
私は、妻を変えようと必死になりましたが、相手の価値観を書き換えること、簡単には出来ないんですね。
相手にも、自分と同じように変えられない価値観、思いがある。そして、きっとそれは、そうせざるを得なかった理由があったのでしょう。
愛し合っているもの同士でも分かり合えない事もある。価値観は、当人にとっては大切な拠り所。
正そうとする前に、分かろうとせよ。
(臨床心理学者 カール・ロジャーズ)
もっと早く、落ち着いて話し合えれば、また違った育児が出来たのかもしれません。
この先も続く人生、胸に刻んでおきたい。