ハノイの焼肉店 SUMOのリニューアルデザイン/相撲をどう表現するか
ハノイの焼肉店SUMO、リニューアル前の店内は、力士の絵があちこちの壁に飾られていました。
依頼された当初から壁に飾るアートを選定するところまでが業務として明記されてましたし、とにかく相撲の何かを飾ることが求められていました。
ベトナムで日本のものが魅力的に伝わっているのは喜ばしいことですが、日本人デザイナーにとっては、相撲をシンボルとして打ち出すのは、サムライ、芸者位に直球過ぎる日本の表現だと感じていましたし、完成した内装に相撲の絵を飾るだけでない、相撲を真っ向から扱いながらこれまでこのブランドがやってきたこととは違うものを考えようと思いました。
そうして、
1つは、入口のドアにスチール製の力士を取り付けて、お客さんが来る度にドアの開閉によって相撲の取組みが行われるエントランスを考えました。
もう一つは、力士の絵を飾る代わりに、ネオンサインで取り組みを再現しました。
ここでは赤い光の力士と青い光の力士がぶつかることで紫の光を生む事を考えました。 二色が合わさって違う色が生まれることは相撲という競技を表すのにしっくり来る表現だと思いました。
国技館の吊り屋根に掛かる紫の垂れ幕を参照し紫のカーテンを差し色に構成していたので、統一感を出すべくここでも紫の光をと考え、赤と青を選びました。