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wave to ②

手を挙げる動作だけで、互いの間柄が親しいことを知ることができる。

それは、通勤バスでの出来事。

バスがとても混んでいて、運転手さんの傍に立ち職場へと揺られていた。

天気も良く、バスの窓ガラスは広く開けていて目いっぱいに景色が飛び込んできた。

向かいから私が乗ったものと同じデザインのバスが目に飛び込んでくる。向かってくる運転手さんの顔がハッキリとわかるくらいの迫力。

その瞬間に、私の傍でハンドルを操作していた運転手さんと、だんだんと近づいてくる運転手さんの両者が呼吸を合わせたかのように、ふわりと手を挙げた。

その瞬間、両親のことを思い出した。

両親は、1台ずつ車を持っている。父は仕事で、母は仕事に行ったり私を迎えに行ったりと、平日は個々で車に乗ることが多かった。

2人は、すれ違うたびに手を挙げていた。

幼いながらに、私は2人の関係がとても良いことをその言葉の必要ない動作から感じ取っていた。

大人になってからのある一瞬から、着想を得た

wave to


(Photo by hamahouse、Thanks!)

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