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清潔と心の置きどころ


 今朝も愛犬の世話から始まる。夜はケージに入れている。私がケージの前に来るとキュンキュンと声を発しながらせわしなく動き廻る。早くここから出してくれと言っているようだ。
 「今日も元気だね」と声を掛けて、右手でひょいと持ち上げると私の鼻に舌を出す。これが朝の挨拶だ。さぁ~てと、家の外に出て散歩をさせる。運動も必要だ。帰ってくると足を綺麗に拭いて部屋の中で遊ばせる。

 次はお待ちかねの食事の時間だ。フードを与えると脇目も振らず一心に食べる。噛んで味わっている感じではない。兎に角、腹に入れれば良いらしい。食べたら落ち着くのでその後口周りを拭いてやる。ペットも清潔が好きだ(いや、人間の気持ちか)。水入れ、餌入れも洗って水入れには新しい水を入れておく。ペットも清潔が健康で長生きの秘訣だ。

 次は、風呂の掃除だ。カビが出来ないように風通しのため夜は窓を開けており、冬場は浴室の扉を開けると冷気でぶるっと身震いする。湿度が高いとカビが発生する。カビは健康に悪いので浴槽を洗い風呂蓋や壁まで全て拭き上げる。

 引き続き排水溝を見てみる。流れを保つため淀みの汚れを洗い流す。
 あるビジネスホテルの話しを聞いたことがある。男性客で髪が短い場合、料金を割り引くとのこと。理由は、排水溝にたまる髪が少なく女性客の場合に比べて掃除が簡単だという理由だ。私もそう思う。女性の長い髪が排水溝のフィルターに絡まったりすると流れも悪く汚れも貯まり掃除も大変な訳である。

 部屋の掃除は毎日する。寒かろうが換気も兼ねて、窓は開放して掃除機を回す。掃除機の排気から出て部屋の中に舞うハウスダストを外に出さなければ。新鮮な空気を部屋に入れて窓を閉める。ゴミ屋敷など想像するのも悍ましい。呼吸困難になりいっぺんにダウンしそうだ。

 ドイツ人は整理整頓は人生の半分である、と考えていると聞いたことがある。整理整頓することにより清潔さが実現されると同時に、秩序立った行動が行え精神も落ち着くらしい。規律のあるドイツ人らしい発想である。
 


パープルコンパクタ、柱サボテン


 窓際に目をやると観葉植物が陽を浴びて生長している。「おおきくなーれ」と声を掛ける。植物の生長エネルギーが人にも心地よさを運んでくれそうだ。清潔な気が体に入って心を整えてくれる。次の行動にスムーズに入れるようだ。

 台所は濡れた食器など置かないようにする。濡れた物があると気が滞るらしい。食器は乾かして食器棚に入れておく。すると次に使うときも楽に使いたい物が出せる。物があるべき所にあるという事実で行動も合理的になる。すると、心も穏やかになってくれる。
 ここでも清潔にして整理しておくことで心が整う。

 コロナ禍も3年になるが、この間行動も制約が多かった。至る所で清潔と静かさが求められるようになった。戸外でのマスク着用、手指のアルコール消毒は勿論、飲食店での黙食や時間制での食事である。又、小中学校給食では会話はできないという。更に驚いたのが温泉での「黙浴」表示である。沐浴変じて黙浴である。

 個人的にコロナ禍で気づいたことがある。
 自宅以外での清潔な行動を心がけることは当たり前であるが、ワクチンを何回も接種することにも抵抗があり、自らの体の免疫力を高めることに改めて気持ちを働かせるようになった。

 円安や穀物の高騰のこともあり、これまでのパン食をご飯食に改めた。ご飯を食べると味噌汁や漬け物を食べるようになる。
 味噌汁は発酵食品である味噌を使い、動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果が期待される。又、漬物はぬか漬けにすることにより、植物性乳酸菌が腸の働きを活発にしてくれる。

「飲む点滴」甘酒


 加えて妻が作る甘酒を飲むと麹菌が免疫力を高めてくれるだけでなく腸内環境も整えてくれるとのこと。今や腸は第二の脳とも言われており腸の環境に気を配ることは大変重要らしい。甘酒はこの他にも栄養素が多く「飲む点滴」と言われる所以である。

お寺の境内はいつも清潔で綺麗だ 心も清くなる

 令和5年5月からは新型コロナウイルスの感染法上の位置づけが5類に引き下げられるが、人々の清潔に関する考え方や行動がどのように変わっていくのか見通すのは難しい。

 虹が見えるのは、雨滴の中で反射した光が波長によって屈折率が異なり七色に分かれて見える。雨滴の中の光のように人の清潔に関する考え方もそれぞれ屈折率が異なるはずだ。
 清潔に対する自分の意識と比べた、他人の意識は気になる所ではあるが、感じ方が行き過ぎると他人を批判することにも繋がる。
 これからはあらゆる場面で個人の判断が求められるようになり、お互いが思いやりの精神で摩擦を起こさないように行動してほしいものである。コロナ禍によるピンチをチャンスに変えていくような発想も大事になってくるだろう。綺麗な虹が見えるといい。

 身の回りを清潔にすることによって整理整頓ができたり、ペットも健康になり、植物からは生長のエネルギーをもらうなどで心も穏やかになれる。できるだけ自分の体とも対話しながら、体と心をワンチームにしてウイルスに対する免疫力の可能性を信じたい。
 これからも清潔を通して心の置きどころを見つめることが出来たら幸いだ。

ペットも共に生きる


 

 
 

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