続その2:「ゆたかさ」って何だろう
まえがき
2週間前に参加したコンテスト“#ゆたかさって何だろう“からの続き記事になります。1つ目の記事“「ゆたかさ」って何だろう“で心のゆたかさを得るための最小限の要素として「精神的な安定」と「意欲」を挙げました。そして2つ目の記事“続:「ゆたかさ」って何だろう“で「精神的な安定」について書きました。そして今回が最後、「意欲」に関する記事になります。
是非、関連記事とセットで読んでみてください。
1、いきなり結論!
意欲が発揮されるにはいくつかの条件があります。医学的には脳の側坐核という部分の活動が活発になると、意欲が発揮されます。
そして側坐核の活動が活発になるための条件は、“やる”ことです。実は人間は行動を取り始めると、その行動に対して意欲を発揮する力を元々持っているんです。
けれども実際は、意欲が湧かずに悶々としている方も多いのではないでしょうか?この記事では、意欲発生の鍵となる、“やり始める“ための工夫と、“意欲を持続させるために必要な3つの条件“について書こうと思います。
2、“やり始める“ために
「何かをやり始めるには最小限の意欲が必要だ。でもその意欲が湧かない。」
意欲が湧かずに悶々としている時、こんな風に考えていることってありませんか?でもこれは重大な勘違いかもしれません。確かに、自然と意欲が湧いてきて、そこから行動に結びつくケースもあります。けれどそれを待っている時間がつらい場合は、少しコツを知っておくと、スムーズに「やり始める」事ができます。
さて、何かをやり始める時のコツですが、最小限に絞って2つ紹介します。
①自分がこれから取り組もうとする事をできるだけ細切れにする
②やり始める時には思考を自らストップして人形になりきる
これだけではあんまりなので、少し説明を加えます。
①細切れにする!
おそらく説明文よりも具体例の方が分かりやすいと思いますので、以下の例を読んで見てください。
ケース:散らかった部屋を掃除する。
さて、とても散らかっています。それでは早速、掃除という作業を細切れにしていきましょう!
まず部屋を見渡します。ゴミ箱に持っていくもの、洗うもの、元の場所に戻すものがありますね。
この中で一番楽そうな行動を選びます。
とりあえずは手元にあるものをゴミ箱に入れることにしましょう。
ゴミ箱にゴミを入れるという作業を細切れにします。今回ゴミが多そうなので、ゴミ袋を取りに行く→ゴミを放り込む でしょうか。
ではさらに、ゴミ袋を取りに行くという作業を細切れにします。
今は横になっているので、起き上がる→立ち上がる→ゴミ袋を取り出すという流れです。そして起き上がるという行動はこれ以上細切れにできそうにありませんので、これで細切れ終了です。
細切れにする目的は「やり始める」時のハードルを下げることですから、細切れにするのは作業の最初の方だけで大丈夫です。洗い物や元の場所に戻すものについてはひとまず置いておきます。あとの予定を考えるとウンザリしちゃうので、なるべく考えないようにしましょう😌
さぁ、最初にとる行動は「起き上がる」に決まりました。このように細切れにして最初のハードルを下げることによって、スタートを切りやすくなります。
それでは次のコツ、「人形になりきる」について説明します。
やることは1つだけ、演じることです。ロボットや別人になりきって、自分で決めた流れを遂行します。あくまでそれをやっている別人を演じることで、意識が行動そのものとは別のところに向きます。例えば「これから食器を洗う」という場合には、食器を洗うのが好きな人を演じるつもりで役になりきるのです。大事なのはやろうとすることについて深く考えないことです。
思考は動作に基づいて働きます。そのためまず動き、動き始めてから考えるという順序になるよう留意すると上手くいきます。
やる気が出ない時、騙されたと思ってやってみてください☺️
3、意欲を維持させるために
さぁ、うまくスタートを切ることに成功した場合、次のハードルが立ち塞がります。
「気持ちが続かない!」
そう、ゴミ捨てや食器洗いのような単発の行動であれば短期的な意欲で十分な場合もありますが、心のゆたかさを持つためには長期的な意欲の継続が重要になります。
長期的に意欲を維持するためには3つの条件があります。
①自分の行動に意義を見出せること
②やり遂げられるという自信を持てること
③自分の行動が関わる物事の全体像が見えていること
これら3つが揃うと、人はとても意欲的になります。
まず①ですが、人は自分がすることにどれだけ大きな意義を見出せるかによって意欲に差が出てきます。例えば朝食を作る時、例えば「家族がいるから朝食を用意しなくてはならない」と考えるのか、「家族で1日の始まりを素敵な気持ちで迎えるために朝食を作る」と考えるのか、はたまた「大好きな彼(彼女)のために朝食を作る」と考えるのかで意欲に差が出てきます。
すぐには難しいかもしれませんが、まずは何かをする時に、その行動によって生み出せる効果や影響に目を向け、「〜しなくてはならない」という義務感から離れることを意識してみましょう。
次に②はやり遂げられると思えることです。自分がしようとすることのハードルが高すぎると、やり遂げるイメージを上手く持てず結果的に意欲低下につながります。もしやりたいことが自分にとって難しすぎると感じる場合は、まずは手の届く難易度から始めて、ギリギリやり遂げられそうなラインを目安に取り組んでみましょう。
最後に③は自分がやろうとすることの全体への理解です。例えばPCを使って動画の編集を頼まれた時に、使用する機器や使うソフトの知識がなく、何から手をつけたら良いか分からない場合は意欲が低下しますが、自分の得意なことだったり慣れていて作業全体の流れをよく知っている場合は意欲が高まります。
言葉を変えると、意義づけ、やり遂げるイメージ、方法の理解の3つが揃った時、意欲は長期的なものになります。意欲が湧かない時や続かない時は、3つのうちのどれかが不足しているはずですので、意識的にそれを補っていくと長期的な意欲を維持できるようになります。
もしあなたに部下がいる場合は、この3つのポイントの不足を見つけ出し、補うような対話、応援や教育を行うことで部下はどんどん意欲的になっていきます。
意欲を自在に操る練習をして、長期的なものにしていきましょう❗️
まとめ
さあ、心をゆたかにするために必要な「精神的な安定」と「意欲」について書いてきましたが、如何でしたでしょうか?いずれも練習が必要なことですが、一度身につけば必ず助けになってくれるはずです。いつも平穏で豊かな気持ちでいられるよう、この機会に挑戦してみては如何でしょうか?
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