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続:「ゆたかさ」って何だろう

まえがき

 先週の投稿で、コンテストの“#ゆたかさって何だろう“の関連記事として精神的な豊かさ(以下、「心のゆたかさ」)について書きました。今回は、先の記事に書いた「精神的な安定」について少し詳しく書いています。

 この記事は自分自身が心ゆたかでいることを目標に、学んだり、心がけたりしていることを自分自身の備忘録として書いています。そのため少々読みづらい点があることには、どうか目を瞑って下さい。

 さて本題に戻ります。先の記事では精神的に豊かになるための要素として、「精神的な安定」と「意欲」の2つを挙げました。この内、今回は精神的に安定するための考え方や方法について書いています。

 特にメンタルを強くしたい方は是非、読んでみてください。

1、いきなり結論!

 精神的に安定する方法は2つだけ。

①環境づくり

②自分の世界観を拡げること

これだけです。以下の項で少し説明を加えていきます。

2、“精神的に安定している“とは?

 少し表現を砕いて、以下「心の安定」と書きます。ここでいう「心の安定」とは、周囲の出来事や人に対して動じることのない、強い精神状態です。心がゆたかな状態でいるために、安定して動じない心は重要な土台になります。

 では少し目を瞑って、自分の心の状態が安定しているかどうか確認してみましょう。静かで落ち着いた状態であれば、それは心が安定しているということです。しかし本当にその安定性が試されるのは、自分にとって嫌なことがあったり、嫌いな人と接する時です。

 自分を傷つける(であろう)出来事や人物に対しては警戒しなくてはいけません。少なくとも、私達の本能はそのようにできています。人間は自分が傷つきそうになると、本能からの警告のメッセージを受けます。そのメッセージこそ、不安、焦り、困惑、絶望、怒りなどといったネガティブな感情です。

 では、嫌な事があったり嫌いな人と接している時にネガティブな感情にならない人なんているでしょうか?おそらくNoだと思います。つまり、揺らがない完璧な安定なんて存在しません(脳に生まれつき感情の機構を持たないか、又は不幸にもその部分を損傷してしまったごく稀な例を除いては)。

 つまり生きている限り、心がゆたかな状態を維持し続けるというのは現実的に難しいといえます。でも諦める必要はありません。少し頭を柔軟にして、人生の中で少しでも長い時間、心ゆたかでいられることを考えてみましょう。

3、心の安定感を強化するために

 心は、外からの刺激に対して常に反応するようにできています。様々な刺激がある中で、心の安定感を強化して不安定な状態を短時間ですませるにはどうすれば良いか?そのために必要なのが「環境づくり」と「世界観を拡げること」です。

4、環境づくり

 環境づくりとは、つまりは自分の心が安心して過ごせる環境づくりのことです。自分が苦手とする場面や人物と接する時間に対して、どうしても心はネガティブな反応をしてしまいます。そのような環境に身を置くと、心はゆたかになるどころか、どんどん荒(すさ)んでしまいます。時には苦手な場面や人物から、意識的に距離をとるようにしましょう。

 そう、心が無理なときは“逃げるが勝ち“です。

 距離が取れないといって嘆くことはありません。そういう場合は、どうしようもない時間はきれいさっぱり諦め、心で逃げましょう。環境づくりができないことをストレスに感じることもまた、心の安定性を脅かします。もし職場が苦手だけど転職ができないといった場合は、職場にいる時間については心を無にして仕事をこなし、職場を離れている時間を心ゆたかになれる癒しの時間として大事にしていくことにしましょう。

 本当にもったいないのは、嫌な出来事や嫌いな人物のために、それらと接していない時間を浪費してしまうことです。

5、世界観を拡げる

 心は常に外からの刺激に反応しています。つまり自分を傷つける(であろう)出来事や人物に対して本能が警戒を強め、そのことを自分自身に伝えようとして心を不安定にし、ネガティブな感情を生み出します。

 しかしある出来事や人物が自分を傷つける可能性は、その人の世界観をものさしとして評価されます。どういうことかというと、同じ出来事や同じ人物と接した時、それらが自分を傷つける可能性がどの程度あるかという直感や考えには、個人差があるということです。そして基本的に、経験が浅く視野が狭い人ほどその可能性を過大評価する傾向にあります。

 極端な例でいえば、非常に怒りっぽい人物と接する時、子供の頃から叱られることなく優しく穏やかな人たちの中で育ったAさんと、戦争や紛争を生き抜いてきたBさんとでは、自分を傷つける可能性の評価に天と地ほどの差が生まれます。

 自分自身の世界観が拡がらず、自分を傷つける可能性を過大評価する傾向になることは、心を不安定にさせるばかりでなく、場合によっては心の病気にまで繋がります。

 では自分の世界観を拡げるためにはどうしたらよいのでしょう?

 人の世界観は、生まれ持った性格や感性に、育った環境、学んだ知識、経験の蓄積が積み重なり、概ね成人するまでの間に基本的な部分が形成されます。世界観を拡げるというのはつまり、日常で起こる様々な出来事や、出会う人物を多面的に捉えることができるようになるということでもあります。これができるようになるためには、知識を増やし、経験を増やして自分自身の想像力を養う事が重要です。そして想像力を働かせて一つ一つの出来事や人物に対する視点を可能な限り沢山持てるよう意識して取り組みます。もちろん、時間をかけて訓練する必要があります。

 多面的に見るとはどういうことか?それは妄想的に事実をねじ曲げることではありません。例えば先ほどのすぐ怒る人物(仮にCとします)を例に取れば、すぐ怒るという事実に対して、以下のような視点を想像することができます。

・Cは私のことが嫌いだから怒っている

・Cは私ができない人間だから怒っている

・私がCを怒らせている

・誰かがCを怒らせて、私は悪いタイミングで失敗した(刺激した)

・Cは自分の思い通りにならないから怒っている

・もしかするとCはCの上司や家族から同じように怒られていて辛いのかもしれない

・Cは心に闇を抱えている

・Cはコミュニケーションがヘタクソで物事を伝えるのに一々怒らないとうまく伝えられない

・Cは周囲の人間を見下しているからすぐ怒る

・Cは実力不足でいつも余裕がないからすぐ怒る

・Cは怒っているのが基本状態なので怒っていることに特に理由はない

・・・

 想像を膨らませると、さらに多くの視点が持てると思います。その中には事実と異なるものもあるでしょうから事実と明らかに異なる視点は放棄しますが、しかし感情は心の内のことなので、多くの場合、本当のところはわかりません。それが自然です。

 重要なことは、「事実が分からないものに対して、自分自身を不安定にする視点をあえて採用することには意味がない」と気づくことです。

 そのことに気づけた時、世界観は拡がり始めていると言えるでしょう。心の安定性が低い人の多くが、瞬間的に自分を傷つける視点(のみ)を想像し、直感的にそれを採用してネガティブな感情にさらされています。それはとても勿体無いことです。心が不安定になるとそれは自分の心にネガティブな感情を生み出すだけでは飽き足らず、周囲の人へのネガティブな言動として無意識に表に出てきます。これが連鎖すると周囲との人間関係が悪化し、結果的に周囲の環境までも自分の心を不安定にさせる状況に変わっていくという悪循環が発生します。

 学び、経験を積み、そして想像力を膨らませて世界観を拡げましょう。

あとがき

 誰もが様々な奇跡の連続によってこの世に生まれてきた存在です。本来はお互い傷つけ合いたくて生まれてきたわけでは無いと思います。でも現実の世界は決して人間にとって優しい世界ではありません。いつも何処かで心をすり減らしている人がいて、心の貧しさは伝播します。けれど、心のゆたかさもまた人から人へと伝播します。まずは自分自身が心ゆたかな人間になることを目指し、いつかその努力が心のゆたかさとして伝播していくことを夢見ています。

*心の病気がある場合は、まずは専門医による治療、カウンセリングやアドバイスを優先して下さい。

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