死ぬまでにやりたい100のこと #1
「そういえば、おじいちゃんの瞳が青かったな」
これは、いつの日か親父が言っていた言葉。どうやら曽祖父は日本人ではなかったという。なるほど。僕には純粋な日本人の血が流れていないということか。計算してみると、8分の1が海外の血だということになる。ハーフでも、クォーターでもない。なんと呼べばいいのだろうか。それに、8分の1くらいなら世の中にたくさんいることだろう。何ら特別なことではない。しかし、当時の僕は特別感を抱いた。
よくよく聞いてみると、僕の曽祖父はオランダ人だったらしい。親父もよく覚えていないらしいが、髪の色や瞳の色は日本人特有のそれではなかったのだ。
この話を聞いてからというもの、オランダという国に興味を持つようになった。僕が死ぬまでにやりたいことの1つ。それはオランダに行くことである。
オランダと聞いて、どのようなイメージを持つだろうか。
心地よい風が吹き、草原がスヤスヤ眠っているかのように揺れている。少し遠くにある小高い丘では、風車がゆったりと回っている。そんな風景を僕は思い浮かべる。しかしこれは、あくまでもイメージである。実際はどのような国なのだろうか。調べたくなった。
まず宗教。
割合で言えば、50%の人たちが無宗教だという。残りの50%の内、一番多いのがキリスト教らしい。北側はプロテスタント、南側はカトリックというように分かれているとのこと。
全体的に移民が多いため差別も少なく、自由で寛大であるというのがオランダの特徴である。そんなオランダ。ヨーロッパの中でも比較的治安が良いらしい。
海外に行くときには、ポケットに財布を入れてはいけないと耳にしたことがある。すぐに盗まれるからだ。それに、こちらが日本人だとわかるとぼったくりのように割増価格にするという話も聞いたことがある。これらが本当のことかどうかはわからない。しかし、噂がある以上は心配な気持ちになってしまう。そのため、治安が良いというのは素直に安心する。とはいえ、スリはあることらしい。それはどの国でも変わらないのだろう。そういう意味では、日本が異常なのかもしれない。日本人は真面目すぎるのだ。真面目すぎるがゆえ、自分自身で苦しい状況を作っている。そんな印象がある。まだ二十数年しか生きていないが、もう少し力抜いたらどう?と思うことが何回あったことだろうか。こう思うのも、もしかしたら僕にオランダの血が流れているからかもしれない。
オランダ人は、緩いところがあるらしい。先にも言ったが、移民が多いというのは一つの理由になっているだろう。緩いといっても、程度がわからない。具体的には、郵便配達が遅れてやってきたり、大切な連絡が事後になってきたりするらしい。こう聞くと、それは困るだろと思う自分もいるが、それは日本基準で考えているからだろう。
僕は現時点で日本に多少の息苦しさを感じている。いつか疲れてしまったときは、心に余裕を持つためにオランダに行くこともありなのかもしれない。のどかな場所で自由にのびのびと過ごしてみたいものだ。
いつか必ずオランダへ。そのための準備はできるときに進めよう。最初にやることは決まっている。パスポートを作りに行かなきゃ。