ゲ謎感想⚠️ネタバレ注意⚠️
昨日、以前から気になっていた
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(略してゲ謎)
を見てきました
私はゲゲゲの鬼太郎はアニメ第5世代の新しめの人間であり、水木先生作品もゲゲゲの鬼太郎だけであり、尚且つ数話程度しか読んだことの無い若輩者である事を先に置いておきます
見る前に話題が目に入る事があり、その中でも水木先生作品に大きく熱の入ってる方々の賛否両論などを聞いて少し滅入ってた所がありましたが、私個人にとってはかなりいい作品でした
まずは当時の昭和の風景のリアル再現です
汚ねぇドブ川、タバコの煙で充満した部屋や電車、ポイ捨て、社会情勢、因習村
全てがある〜‼️とワキワキしたものです
まず主人公である水木、今作の彼は水木先生をモデルとしてるキャラクターであり
ご本人とは別でお考え下さい
そもそもキャラクターデザインから
既に性癖である
まず、これですね、とんでもねぇ男だな
端から端までドスケベで構成されてんのかと思ったくらいに衝撃受けましたね
血まみれのスーツは美味いのである
次に昔の目玉おやじことゲゲ郎
ちなみに私はゲゲゲの推しは
鬼太郎を抑えてあの目玉おやじです
何だこの可愛い幽霊族
おそらく世界で1番可愛い可能性がある
いやそう、きっとそう
6期で話題になった時よりゲゲゲデザインだな?と思いましたが「誇張したんだな…本人が」と罰当たりな事考えてました
可愛いよ目玉おやじ
本編の話
⚠️ここから本編の感想を呟いていくので
多少のネタバレが予見されます
ご注意ください
さて序盤、帝国血液銀行に務める水木は
龍賀の当主が没したことにより
自分の得意先の龍賀製薬の社長が次の跡取りになる可能性があると見込み、単身龍賀一族の存在する哭倉村に向かいます
しかし社長は入婿のため、存命していた当主の長男に座を奪われ水木の目論見は外れます
跡取り争いを起こす親戚に異常な行動を見せる長男こと時麿の一声と同時に鳴り響く地鳴りを聞いてその場の全員が冷えます
このままでは会社どころか東京にも帰れず途方に暮れる水木、そんな中、投手になったばかりの時麿も命を奪われました
この時の犯人として容疑をかけられたのが
当時の若い目玉おやじ、通称ゲゲ郎
登場して早々斬首で退場しそうなところを水木が止めたので、あとの処遇を任せられるのでした(ここでキービジュにも出てくる牢屋が登場)
大まかなあらすじはここまでとしておきます
まず映画自体はかなり簡単で観た人に伝わる作りになっています、なので「端折られまくってない?」というのが割と多いです
これは「難しい話を如何に小学校程度の子供にも教えられるか」という点であまり時間を詰めないようにしてるなぁと思いました
しかしシナリオの重さはそれを遥かに凌駕していくものです、この映画本編に救済はありません
あるとすれば本当に最後あたりに出てくる現在軸のみとなります
ED手前やED自体にも救いはありませんが
「確かにそこに居たのだ」
という感情を感じる場面となっています
私はこういう表現結構好きです
因習村という表現的にそうかなぁ?という意見を見たことかありますが因習村を知らない人には分かりやすい表現をしてるのでカジュアルに因習村を見せるのに向いてる作品です
(カジュアル因習村とは)
あとバトルがきちんと作画されてるのが大変良かったですね、幽霊族がハチャメチャに強いのは何となく存じ上げてたんですがゲゲ郎強すぎてすげー!となってました
それを凌駕して強い妖怪も凄まじくてまさにゲゲゲだな…という感嘆を受けてましたね…
1番ネタバレ抜きで印象深いのは水木の着替えが多い
シュルシュル浴衣脱ぐし急にスーツから浴衣に着替えるし背中見せてくるし(ケツは見えない構図)ゲゲ郎はガン見してるし
そして水木は所々の顔の描写が我々のような大人達には非常にそそってしまう、首締められたり鼻血出したり
こんなの小学生が見たら性癖拗れるよ
結構バディ物としての位置づけもあったのでそういうやり取りがあって微笑ましかったですね
ゲゲ郎が泣き上戸なの可愛いよ"〜
ゲゲ郎も何となくあの目玉親父が自然と思い浮かぶ様な愛らしい仕草が多かったなと思いました、70年前でもそこそこ若々しかったのか少々棘はあるのかな?
でも鬼太郎が似たのか小さい子に優しく話しかけるのは相変わらずなんだね…ともしみじみ
時ちゃん、さよちゃんと優しく呼ぶのもまた微笑ましく、ちょっと泣きました
元々人間は嫌いだとそれに相応する理由もあったのに、奥さんの影響で寂しがり屋の泣き虫になったというのがよく分かりましたねゲゲ郎
特に目玉おやじの時、鬼太郎の成長や過去の後悔からウルウルと目を潤ませる描写がよく想起される事が多いですね…入村後見たら泣いちゃったな…枕返しの回
あとは龍賀の真犯人と黒幕ですがこれについてはあまりにもドン引きしましたね
昭和の因習村あるあるという感じで
「てめ〜‼️タダで済むと思うなよ‼️」
と黒幕に思いつつ本当にタダですまない結果になったのは少しシュールでしたね
ただ黒幕に対して水木が「アンタつまんねぇな!」と鉄槌を下すのは見てて晴れ晴れとしたものがありました
最初は自分の地位のために来たのに、その地位など必要のないものだったと理解出来たシーンだったのは大変良かったです
最終的に奥さんも見つかったのですが、村を取り巻く怨念の渦を鎮めるためにゲゲ郎は水木に奥さんとお腹の中にいる鬼太郎を任せて単身その身を捧げに行きました
この時、あの鬼太郎も来ている霊毛ちゃんちゃんこがある理由で生成されており
ゲゲ郎はこれを水木に羽織らせていたのですが
水木は怨念から逃げる際、ちゃんちゃんこを奥さんに着せています
奥さんはもちろんお腹の子まで任されてるのに自分だけ助かる訳には行かないという水木自身の善性を感じましたね…相棒の大切な人たちだものね…
これが最後の「確かにそこにいたのだ」という感情に繋がります
結局、奥さんを庇って怨念に襲われ続けた水木はその身は無事であっても「村で起きたことを完全に忘れてしまった」のでした
救助されてもその場に奥さんはいません
おそらく、全てを終えたゲゲ郎も脱出して2人に追いついてからその場で倒れている水木を見つけたのでしょう、聡いゲゲ郎なら理解できたはずです
どれだけ親交を深めても水木は生きている人間
このまま消防に救助して貰えれば生きて帰れるはずだと、幽霊族であるゲゲ郎達家族はそれを見越してあの山林に水木を残していったのだと思いました
助けられた水木は朧気な記憶すら忘れてしまう程の状態になっていました
「女の人がいなかったか」
「何も思い出せないのになんでこんなに悲しいんだ?」
あの哭倉村で水木は散々な目に会いました
もちろん、水木も自分のためとはいえ人を利用してきたという罪悪感はキチンとありました
しかし、村で起きてたのはそれ以上に凄まじく、惨いことです
EDでは原作ゲゲゲの鬼太郎1話のシーンが流れていくのですが本当に泣いてしまった
特にゲゲ郎が記憶のない水木を追いかけるシーンでさらに泣いてしまいました
ED後では鬼太郎が誕生し、墓から出てくるいつもの描写となります
恐れを生した水木はここで殺して置いた方が…となりますがふと、桜の下のゲゲ郎の影を思い出すのです
それはまさにあの時ゲゲ郎に奥さんと子供を任された所
それは全てではありません、映像だけ思い出した水木は産まれたばかりの鬼太郎を雨の中で抱きしめてこの作品は終わりを迎えます
EDではゲゲ郎が目玉おやじになる描写があったため、恐らくあの瞬間の水木を目にしていると思います
私は最後まで観ることが出来て良かったという作品であり、また「水木先生をかなりリスペクトして作られた作品」とも見る事ができました
ここまで結末まで個人的に好きな2人の描写や細かい所をだいぶ端折って書きましたので
気になる方はぜひ映画館までどうぞ
ただかなり子供に見せるには凄惨な描写がすごくあるので子持ちの方や心臓の弱い方、子供が酷い目に会うのが苦手、という方は残念ですがお控えくださった方が懸命かと思います
それほどに残酷で哀しく
またこれからの「未来」のための物語です
だからこそ賛否両論あれど「大人」に見てほしい作品です
ここまで読んでくださりありがとうございました、それでは〜🤚