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『バイトテロ』デジタルタトゥーの呪い

デジタルタトゥは、一旦インターネット上で公開された書き込みや個人情報などが、一度拡散してしまうと、完全に削除するのが不可能であることを、「入れ墨を完全に消すことが不可能」であることに例えた比喩表現。

引用:Wikipedia

1. バイトテロ

 2021年6月14日、「お客様にご不快、ご不安な思いをさせた」としてある企業が公式サイトで謝罪しました。
 謝罪元は、「カレーハウス CoCo 壱番屋」を運営する株式会社壱番屋。
ご不快、ご不安が指すものは、アルバイトの男性がカレーに「不適切行為」をしたという内容でした。

        『バイトテロ

 ここ8年くらいでしょうか。いわゆる「バイトテロ」や「バカッター」と呼ばれるこうした飲食店のアルバイトによる不衛生な行為のSNS投稿の騒動が頻繁に起こる様になりました。

アルバイトの炎上騒動はなぜ繰り返されるのか。

 ざっと並べてみると、くら寿し、ビッグエコー、セブン-イレブン、ファミリーマート、すき家、ドミノピザ、はま寿し、バーミヤンと、ファストフード店やコンビニにおいて、ものすごいペースで 『バイトテロ』が起きていると言えます。

 『バイトテロ』が起こるメカニズムは、おそらく『目立ちたい』という思考ではないかと僕は思います。
 恐らく、昔から表に出なかっただけで、こういった悪ふざけは行われたのでしょう。昔から不良の若者たちが度胸試しとして迷惑行為を行う様に、『やってやったぜ』とイキがるのと同じです。
 そして最近の事件をみると、この『やってやったぜ』という感情に『承認欲求』がプラスされている様に感じるのです。
 目立つためにはポジティブなことよりもネガティブなこと、バカげたことをやった方が人の目を引くという現実が昔からあります。特にネット上では、その傾向が顕著です。

 彼らは、SNS上でのバズり『ちょ、お前有名人じゃん』というコメント欲しさに後先考えず投稿を行うのです。

2. 個人の損失

 上記で記載の通り、今までも色々な企業で、『バイトテロ』が起きてますが、今回も『ココイチには二度と行きたくない』という声が上がっています。
 この状況下、壱番屋側は「規程に則って厳正な処分を行う」としてます。

では実際にどのくらいの賠償金が課せられるのでしょうか?

 結論から言えば、企業側の泣き寝入りしているのが実態です。
過去に色々なバイトテロが様々な企業で起きてますが、実際に訴訟に至ったケースは今のところほとんどありません。

 過去唯一、関係者3人が書類送検されたのが『くら寿司』で2019年1月に起きたバイトテロ。
 当時、専門学校生だったアルバイトの少年(19)がハマチの切り身をゴミ箱に捨てた後、ふざけてまな板に載せる一部始終を撮影した事件。

このくら寿司でのバイトテロに関する損害賠償額は100万円程だったと言われています。

…この金額を聞いてどうでしょうか。学生に対しては重すぎる、軽すぎる

僕個人の意見としては、『軽すぎる』です。
但しこれは賠償金として見ればです。

個人は的な損失でみれば、くら寿司の事件以外でもかなりの損失を受けています。

 その中でも1番の損失は『デジタルタトゥー』。この時代、デジタルデータは消えないと言えます。

デジタルタトゥー」とは、インターネット上に一度掲載すると半永久的に残る文章や写真、動画などのデータのことであり、一度入れると消すことが難しいタトゥーに例えた言葉です。

 この場合、バイトテロで炎上した記事、動画、画像等がこれにあたります。バイトテロを起こした方々は、この消えないタトゥーを背負って生きていかなければなりません。進学、就活、結婚、人生における大切な場面で、タトゥーが足枷となる可能性があります。

3. 会社の損失

 では、くら寿司が被った株価の被害額はどうでしょう。

 くらコーポレーションのバイトテロの次の日の株価は前日比▲130.0円(▲2.30%)。
どうでしょう。ちょっとピンときませんかね。

こういうとどうですか?

バイトテロの次の日、時価総額が1日で▲27億円マイナスになった。

個人の損失はたしか100万円。これに対しくら寿司が被った株価損失は▲27億円。どちらの被害が甚大かは火を見るより明らかです。

また、これに加え企業は社会的信頼の回復に費やす時間、費用も被害に加わる事を考えると企業側が不憫でなりません。

4.最後に

普段何気なく使っているSNS。現代ではあまりに日常に浸透し、そのクリック一つが全世界に繋がっている意識がない人が多い。
二度と消えないデジタルタトゥーを残すことのない様に、クリック前に一呼吸置く事を強く推奨したい。

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