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現代を生きる指標

公正中立って難しいですよね。

ごきげんよう。ゆきです。

今回のテーマは現代の生き方。様々な情報が入り乱れている現代だからこそ、大切にしている考え方をお話しします。

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大学時代、大好きだった授業がありました。講義名はジャーナリズム論といいます。

某映画監督が教授を務める講義で、内容はあまり変わらないのに2〜3年連続で受講するくらい好きでした。映画監督としての経験を活かした、他の授業にはない独創性のある授業展開と、全く知らない学生たちの意見に触れられるディベートがとにかく楽しかったんです。

教授が撮るのはドキュメンタリー作品。社会的に大きな話題となった事件のドキュメンタリー映画(書籍)を世に出し、時折ワイドショーにコメンテーター的役割で出演するような人です。講義中、その教授が何度も口にし、私の人生観を変えた言葉があります。

「メディアは公正中立でなければならない。」

物事を世界中に発信するメディアは、多角的に物事を捉えることを意識しなければならない、ということです。

講義の中で印象的だった回があります。

授業開始早々、『The Cove』という、和歌山県太地町で行われているイルカ漁に立ち向かうアメリカの捕鯨団体を追ったドキュメンタリー映画を観せられました。前情報なしで流される映画に戸惑いながらも、衝撃の内容に静まる学生たち。鑑賞後に突然マイクを渡され始まったディベートでは「捕鯨団体は正しい」「日本でこんなことが起きているなんて」という意見が飛び出します。問題はその後。

正確なタイトルを失念してしまったのですが(残念)、NHK製作のドキュメンタリー番組が始まりました。内容は、古くからクジラ肉を食す文化とともに生活をしてきた太地町の人々をクローズアップしたもの。町の漁師は捕鯨で生計を立てており、家族にとっての「我が家のおふくろの味」はクジラ料理であるという、真面目仕立てのケンミンSHOW的なドキュメンタリーに仕上がっていました。同じ日本人なので、地方によって文化も食も、言葉でさえも変わってくるのは肌で知っています。そしてその文化の違いは、責めるようなことではないことも分かっています。番組が終わり、再び始まるディベート。誰も何も言えませんでした。

公正中立というのは、こういうことです。

私たちは今、多すぎるくらいの情報と日々密になっていますよね。テレビ、ラジオ、雑誌、SNS、その他諸々のメディアで、色んな人が真偽を確かめる暇もないほどに意見をしています。そしてそれを受け取る側は、どうしたってそれを”正しい”と錯覚しがちであると感じます。でも、そんな時にどうか考えてみてほしい。「逆の立場から見たらどうなんだ?」と。

なあなあな結論では視聴者の不満を買うと思っているのか、ワイドショーは偏向ぎみだなと感じることが多くあります。立場が違えば意見も違うのは当たり前のことなのに、無理矢理1つの意見にまとめようとする。何故なのでしょう。「メディアは公正中立でなければならない。」の言葉の意味を知ってから、私は今あるメディアを穿った目で捉えるようになりました。制作側から見れば迷惑な視聴者かもしれません。でも、自分が自分の意見を持ち、自分が正しい、信じたいと思うものだけを大切にして生きていくには必要な目です。

やれ炎上だ、やれ誹謗中傷だと騒がれることが多い昨今。皆が皆少しでも見方を変えれば、自分にも相手にも少しだけ優しくできるはずなのに、と思いながら、私は今日も公正中立を胸にマスメディアの世界で生きています。

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「相手の立場になって考えろ」とはおそらく幼い頃から誰しもが受ける教育のひとつだと思います。その姿勢は今や、大人が最も持つべきなんでしょうね。

今回のBGMはRADWIMPSの♪PAPARAZZI~*この物語はフィクションです~でした。立場が違えば言い分も違うという良い例です。アルバム曲としてひっそり、だけど私たちにとんでもない重みでのしかかってくるこの曲、聞くたびに鳥肌が立ちます。フィクション、ですよね?

今回もお付き合いいただきありがとうございました。

また次回、お会いしましょう。ゆきでした。

See you next note.

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