母の膝で泣きました。

仕事が大好きなわたしですが、
たまには落ち込む事もあります。

少しヘコんだ‥くらいだったら、
自分で立ち直るのですが‥。
ちょっと‥いや(笑)、かなり辛いことがありました。


でも。
仕事だから、我慢しなくちゃいけない。
おとなだから、我慢しなくちゃいけない。
みんな、理不尽にたえている。
わたしだけが辛い訳じゃないんだ。


そうやって、
自分のこえに出来ないこえを無視して、
自分のこころが痛くても苦しくても、
「仕方がない」といいきかせて、
悔しくてたまらないという怒りを通り越して、
むしろ悲しみにすらなった気持ちを、
封印するのです。


そして、平気なかおをするのです。


だって、もしかしたら
カラ元気でも笑っていたら笑顔に
なれるかもしれないのですから。

乗り越えることのできない辛さは、
平気なふりをして、
こころの痛みが過ぎ去るのをじっと待ちます。


誰かがいっていました。
「時間」は最高の特効薬だ、と。
わたしもそう思います。
時間て残酷な時もあるけれど、
ひとの力では癒せない傷を癒してくれるという、
最高の味方をしてくれるときもあるんですよね。

でもね。
特効薬は、もうひとつ。
わたしには最高の味方がいるのです。
それは、おかあさん。


恥ずかしながらわたし、
まもなく40歳なのですがお母さんに抱きついて大声で泣いてしまいました。

こえにならない声も、
母親には言える‥いえ、
おかあさんになら言ってもいい、と、
わたし自身が自分を許せるのです。

おとなになるというのは、やっかいですね。

世間の反応はともかく‥。
(誤解を招く言い方になるかもしれませんが、
他人にどう思われるかよりも、
自分を自分でどう思うか
が重要だとわたしは思っているのです。)


理不尽だろうとなんだろうと、
耐えなくてはいけない時がある。
そしてそれを、
飲み込まなくてはならないときも、ある。
誰にも、言いたくない。話したくもない。

でも、おかあさんになら、言える。
そう思って、ひさしぶりに母の膝でビービーと泣きました。
そんなわたしの背中を、母の二本の手と、あとふたつ、さすってくれる手があります。

それは、娘の両手。
小学生六年生の娘も、
母と一緒に丸く縮こまったわたしの背中をさすってくれていたのです。


そして。


しばらくして、母が帰ったあと。
娘におもいきって聞いてみました。

「あー‥泣いちゃった。
ねえねえ、あのさ。
おかあさんにくっついて泣くと、安心するね。
あなたも、そう?」

え!?と、
意外そうなかおを見せた娘は、
こんなことを言いました。

「当たり前じゃん!!!
ちゃあちゃん(わたしです)にくっついて泣くと、
本当に安心するよ!
ちゃあちゃんとケンカしてても、安心するよ!」


え?え?
なんかそれ、ちがくない?(笑)

そのあと少し笑い、
娘と一緒にお布団に入りました。


もんもん‥と、
眠れない夜を過ごしていたわたし。
(あしたも朝はやいのになあ‥。)


諦めかけていたその時、ガチャ、
と玄関のドアの開く音が聞こえます。

そして、とん、とん、とん。
遅くにかえってきたダンナが、
二階へ登ってきたのでしょう。


わたしの事じゃあ、
眠れないだろうと察して、
帰って早々マッサージをしてくれます。
(死ぬほど疲れてるのに)


「ごめん(でも気持ちいい。)本当にごめん(本当に気持ちいい。)」

いいから、もう、寝ろ。
なんとも口下手なだんならしい励ましが、
嬉しいですね。

仕事をしていると、いろんな事があります。
辛いことも、もちろん、楽しいことも。

「もっと堂々としなさい。」
母に言われたその言葉を、
わたしはこれから目指していきます。

例えば、だれに何を言われても。
堂々と、胸をはって。

落ち込んでも、大丈夫。

きっとまた、母と、娘の優しい手と。
ダンナの口下手な励ましで、元気になれるのです。



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