キャプチャ_オープンワーク

オープンワークを#マーケティングトレース

こんにちは!先週に引き続き、#マーケティングトレースの投稿です!
先週公開の記事はこちら!お読みくださったみなさま、本当にありがとうございます。


各所から反響があり、うれしかったです。感想やシェアしていただけるのはモチベーションになりますね!

さて、今回は企業の口コミサービス「オープンワーク」をトレースします!
非常にHotな人材業界の中でも、何かと話題を集めるオープンワークをマーケティング視点で分析します。


オープンワーク概要


会社名
オープンワーク株式会社
事業内容
転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」の開発・運用業務
設立
2007年6月
資本金
6億4500万円
引用:会社概要:株式会社オープンワーク

リンクアンドモチベーションの麻野耕司さんが取締役副社長を、「天才を殺す凡人」の著者 ワンキャリア北野唯我さんが戦略担当ディレクターとして参画しているのはあまりにも有名です。

※ただ、11月15日(木)にニュースが飛び込んできました。
2020年1月1日(水)づけで、オープンワークはリンクアンドモチベーションの連結子会社となり、麻野耕司さんは退任されるそうです。

「ひとりひとりが輝く、ジョブマーケットを創る。」をミッションに国内最大級の社員クチコミを有する、転職・就職のための情報プラットフォームを提供しています。

コーポレートサイト調べる中で、個人的に感動した一文を紹介します。
「良い会社に人が集まり、良くない会社には人が集まらない、一人ひとりが主体的に仕事を選択し、誠実なCEOが会社を経営しやすい社会、そんな当たり前の世の中に変えてゆきたい。それが、私たちの目指す未来です。」

目指す未来がはっきりと示されている企業は魅力的ですよね。

ユーザー数も年々増加しており、現在の登録ユーザー数は約320万人(累計)に上ります。口コミ数も約850万件と最大規模の量を誇っています。
データ参照:「働きがい研究所」の新コンテンツ「『日本の残業時間』四半期速報」を発表しました

1112_オープンワークユーザー推移

画像引用:openwork媒体資料
※ユーザー数の推移(図は古いデータから作成されています。推移の参考として掲載しました。)

ビジネスモデル

オープンワークには複数のマネタイズポイントがあります。
ここでは、To CとTo Bに分けて説明します。

To C
基本的に一般ユーザーは無料で口コミを見ることができます。
ただし、無料では閲覧数が制限されており、制限を解除するには条件があります。
1.転職サービスに登録(社会人)
2.就活サービスに登録(学生)
3.口コミ投稿
4.月額料金(1000円)支払い

ビジネスモデル_To C

それぞれの登録ユーザーの割合はわかりませんが、肌感では転職・就活サービスに登録するユーザーが多いように思えます。

To B
メインのマネタイズポイントはTo B向けのサービスになります。
To B向けのサービスは大きく3つです。
 ・サービス登録プログラム
 ・求人情報連携サービス
 ・求人広告掲載サービス

求人広告掲載サービス

ビジネスモデル‗To B③

企業がオープンワークの求人欄に求人広告を掲載したり、スカウトメールを送ったりできるサービスです。初期費用・基本料は無料で採用に至った場合のみ料金が発生する成功報酬型です。

このサービスの素晴らしい点は総合スコアと連動してスカウト送信上限数が決められている点です。毎月末の評価スコアで翌月の送信件数が変動するため、優良企業であればあるほど人材を獲得できるチャンスが増え、劣悪企業ほど良い人材にめぐり合うチャンスが少なくなるという仕組みになっています。

「お金」ではなく、企業のミッションに則り、より良い社会の実現に寄与するサービスは素晴らしいです。

サービス登録プログラム/求人情報連携サービス
サービス登録プログラムはTo C向けサービスで紹介した、転職・就活サービスへ送客することで料金を発生させるビジネスです。

ビジネスモデル‗To B②

求人情報連携サービスはオープンワークの求人欄に他のサービスの求人を掲載するサービスです。オープンワークから掲載サービスへの送客で料金が発生します。

ビジネスモデル_To B

オープンワークとしても、掲載求人数が増えるためWin-Winな仕組みです。

+α
また、メイン事業とはなっていませんが、金融マーケット事業もスタートしています。投資判断に企業の口コミ情報が活用されているようです。今後、グロースするかもしれません。動向に注目です。
参照:事業ビジョン:オープンワーク株式会社


フレームワークで分析

ここからはフレームワークで、人材業界におけるオープンワークの立ち位置や特徴を把握していきます。

5フォース分析

5フォース分析‗オープンワーク

オープンワークには直接の競合である、転職会議(リブセンス)、カイシャの評判(エンジャパン)だけでなく、Twitterやnoteなど社員が発信する生の企業情報がわかるサービスも将来的に競合になりえるでしょう。また、新規参入の脅威として可能性が高いサービスが「Google for Jobs」です。現在は口コミは表示されませんが、将来的にレビュー機能が追加される可能性は高いです。

SWOT分析

4P分析‗オープンワーク

世の中の流れにあったサービスだとわかります。雇用の流動化や終身雇用の崩壊により、これから転職が当たり前の時代になります。転職市場が活発になればなるほど、企業の働きやすさに関する情報の価値は増していきます。

また、業種や年収だけでなく「カルチャーフィット」も採用や企業選定で重要な観点になっています。そのため、企業文化が具体的にイメージする手助けとなるオープンワークのサービスは今後さらに重宝されるでしょう。

あえて、弱みをあげるとすれば口コミが匿名性であるため信憑性が低い点があげられます。
しかし、口コミは運営が審査したうえで掲載されているため、問題ないといえるでしょう。
参照:大企業も動かす!? 社員クチコミサイト、驚きの影響力:日経ビジネス

STP分析

Segmentation
キャリア開発(転職・就活)
Targeting
いきいきと働きたいと願う求職者(中途・新卒問わない)
Positioning
口コミ×企業評価×社会課題
ジョブマーケット・プラットフォーム

ただの企業の就職情報サービスではなく、口コミ、求人、評価情報などのデータをもとにキャリア開発のプラットフォームとして機能できるというポジションに位置しています。

4P

修正版‗オープンワーク4P


オープンワークは話題になるプロモーションを行っています。2019年5月に開催された「社員クチコミ図書館」やNewsPicks、ワンキャリアとのコラボなど話題性のあるプロモーションが目立ちます。

また、何より所属する方々がアイコンとなりオープンワーク=麻野さん・北野さんという形が出来上がり、想起度が高くなっています。
裏側の詳細は北野さんのnoteに記載されています。


ここまでの分析をもとに競合サービスと比較したポジショニングマップで整理してみました。

ポジショニングマップ

高い分析力と幅広いユーザー層を獲得しているサービスだとわかります。

オープンワークの魅力まとめ

ここまでの分析をまとめます。オープンワークの特徴は
・ミッションに沿ったサービス設計
・質の高い口コミと分析力
・世間を巻き込んだプロモーション

ここでは、この中でもなぜオープンワークが選ばれるのかについて言及していきます。

上記3項目の中でも、注目すべきは「質の高い口コミと分析力」と「プロモーション」です。

オープンワークでは「働きがい研究所」というメディアで調査レポートが発表されていることをご存知でしょうか。働きがい研究所は、企業・社会ん・個人などさまざまな視点から「働きがい」について調査をおこなうプロジェクトです。

社内アナリストによる調査レポートや社外分析員によるレポートを掲載しています。最近でいえば、新卒入社してよかった会社ランキング2019がSNS上で話題になっていました。
https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_64

このようにデータベースをもとに質の高い分析を発表しているため、UGCが自然発生し、世間の目に触れる機会が多いです。また、自社だけでなく、NewsPicksとコラボして連載や他のビジネス雑誌への寄稿なども競合と比べ多く、複数の媒体で露出があります。

まとめると、質の高いコンテンツは配信することで、露出を増やし、認知度が自然と高まっていく状態が作れるていることがオープンワークの魅力です。

もしCMOだったら

オープンワークの競合サービスとの違いはある程度の学生ユーザーを抱えているという点です。全ユーザー数の3割は学生が占め、会員登録数は約20万人に上ります。

しかし、まだまだ、就活サービスという認知は低いようです。

11月に配信された、就活サービスを比較したNewsPicks記事にはオープンワークは取り上げられていません。

確かに、企業研究の参考にはするが、直接、就活サービスとして利用するかといわれると活用できない現状があります。

ゆえに、大学生向け、就活サービスとしてプロダクトの更新とプロモーションの強化を行います。

プロダクト

現在、オープンワークでは学生向け求人は多くありません。ほとんどが中途向け求人で学生が本腰を入れた活用できる状況ではありません。

ゆえに、新卒向け求人とインターンシップの求人掲載数を増やします。
このサービスではこれまでの完全成功報酬ではなく、掲載料出マネタイズします。
掲載単価は新卒向け求人は25万/月、インターンシップ求人は10万/月に設定します。
競合サービスより安価でかつ、上位校学生にアプローチできるため、掲載企業数は相当数あると考えられます。

※新卒向け求人はマイナビの掲載料80万円(1シーズン)を参考に算出
※インターンシップ求人はマイナビバイトの2万円~(1週間)を参考に算出

プロモーション

そもそも、オープンワーク=就活サービスという認知は高くありません。
ターゲットとなる学生でも「企業理解のために利用している便利なサービス」という認識です。そのため、「オープンワークは就職活動にも使える」という認識を高める施策をうちます。

キーとなるのはSNSの活用です。最近、オープンワークの就活用Twitterアカウントが開設されましたが、まだ、しっかりと運用されてはいないようです。就活がますます活発になる冬から夏にかけて、広告配信やオーガニックの投稿数を増やすなどし、じわじわと認知を広げます。

NewsPicksとのコラボ記事やオウンドメディアの記事、インフルエンス力のある社員の方など自社のリソースを活用すると就活生に刺さるコンテンツを定期的に発信できるように思えます。

☟OpenWorkの就活生向けアカウント☟

※就活生はフォローするとよいと思います!!

まとめ


以上でオープンワークのマーケティングトレースは終了です。
今後、オープンワークは企業の口コミサービスだけでなく幅広い領域に手を伸ばしていくことがわかりました。私も就活中に非常にお世話になったサービスで、企業分析に役立ちました。今後の進化に目が離せません。

今回もお読みいただきありがとうございました!
 
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