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【メガネ業界】メガネスーパーとJINSの戦略比較 #マーケティングトレース

はい!みなさん、おばんでございます。たいまです。
なんとか、今週も分析記事を公開できました。ありがとうございます!
先週の記事はこちら☟ 予想以上の反響をいただきました!

読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます!!!

本日はメガネ業界からメガネスーパーで有名なビジョナリーHDとJINSを展開するジンズHDを取り上げ、戦略比較を行います。

メガネ業界

メガネ業界の市場規模は約470億円に上ります。業界ランキングは以下の通りです。

業界ランキング
1位 ジンズホールディングス
2位 三城ホールディングス
3位 ビジョナリーホールディングス
4位 愛眼

業界トップはJINSを展開するジンズホールディングスです。業界シェア37.3%を誇ります。ビジョナリーHDは業界第3位につけ、業界シェアは18%です。

ここから個別に戦略を分析していきます。

ビジョナリーホールディングスとは

企業概要
眼鏡やコンタクトレンズ、その付属品を販売する会社の事業活動を支配、管理する会社です。グループ会社の代表例はメガネスーパーやメガネハウスです。従業員数はグループ連結で1544名に上ります。

ビジョナリーHDの前身である、メガネスーパーは一時期業不振に陥り、8年連続赤字に陥っていました。しかし、リブランディングを行い、業界3位まで業績を回復させています。

ビジョナリーHD(メガネスーパー)の戦略
ここからはビジョナリーHD(メガネスーパー)が業績を回復させた要因についてみていきます。売上高をKPI分解すると以下になると予想できます。

スライド54

結論を言うと、ビジョナリーHD(メガネスーパー)は
購入率客単価を高める戦略を取っています。

解説していきます。

売りは質の高さ(客単価)
まず、ビジョナリーHD(メガネスーパー)をSTP分析します。

STP分析
S  アイケア市場
T アイケアを重視する中高年(40代以上)

ポジショニングマップ

スライド53

ビジョナリーHDはアイケアカンパニーをビジョンに掲げ、視力やフィッティングを重視したサービスに重点を置いています。

メガネスーパーではアイケアカンパニー宣言を掲げ、夜間視力検査や色覚検査など52項目の検査やフィッティング調整、検査前のマッサージなど充実したアイケアサービスが行われます。

めがねスーパー

※メガネスーパーホームページより引用

つまり、ターゲットは質を重視する中高年です。

価格設定(客単価)
価格は高く設定されています。フレーム代とレンズ代は別で設定され、フレームも9,980円~30,000円と高価格です。レンズはオプションに応じて値段が上がっていきます。メガネ一本の値段は1万円~5万円程度になります。

商圏に合わせた出店戦略(購入率増加)
ターゲットの顧客層を取り込む出店戦略を取っています。

商店街 50%
ロードサイド35%
ショッピングモール15%

顧客データをもとに商圏に合わせた出店を行っており、来店した顧客の購入率を高めています。

ビジネス戦略(購入率増加)
メガネスーパーの強みは顧客のLTVを高めるサービスを展開している点です。HYPER保証プレミアムという保証プランがあります。月々300円の支払いでメガネの「見え方保証・品質保証・破損保証・紛失保証」の4つの保証を3年間受けられます。

保証を受けずに、満期を向かえた場合は満額分(10,800円)の商品券がバックされるため、通常よりも低い値段で新しいメガネを購入できます。

つまり、メガネを一本購入して終わりではなく、1本、2本、3本とメガネを買い替えるごとにメガネスーパーを利用してもらえるサービスを展開しています。
※支払いは300円×36カ月=10800円を一括払い

つまり、中高年をターゲットにし、多少高価でも質にお金を払う顧客と長く関係性を築く戦略を取っているのがビジョナリーHD(メガネスーパー)です。

スライド55

ジンズホールディングス(JINS)とは

概要
アイウェアや服飾雑貨の企画、製造、販売を行う会社です。中国を中心に海外にも展開しており、従業員数は3538名に上ります。リーズナブルな価格とファッショナブルなメガネを展開し、メガネ業界に革命を起こしたと言われています。

JINSホールディングスの売上をKPI分解してみました。以下と予測できます

スライド56

JINSも結論を言うと、顧客アプローチ数を増やし購入回数を高める戦略を取っています。
以下で解説します。

ファッションとしてのメガネ

STP分析
S アイウェア市場 
T ファッションの一部としてメガネをとらえる若い世代(40代より低い層)

ポジショニングマップ

スライド53


JINSはファッション性と機能性を重視し、商品を提供しています。

広告宣伝を強化(顧客アプローチ)
新商品発売のタイミングでテレビCMを展開しています。
直近ではJINS Switchのプロモーションで長谷川博己さんを起用したCMを展開しています。

※個人的に記憶に残っているのは蒼井優さんがキャラクターを務めた「はじめてのJINS」のCMです。
マス向けにプロモーションを展開し、顧客へのアプローチ数を増やしています。

出店戦略(顧客アプローチ)

SC・百貨店・ファッションビル 70%
駅ビル 20 %
その他 10%

※SCはショッピングセンターの略

ショッピング目的でSC等に来客した顧客とJINSのターゲットが重なり、相乗効果が見込めるため集中して出店しています。

手に取りやすい価格設定(購入回数)
3プライスプラン&オールインワンプライス
JINSは5,000円8,000円12,000円の3つの価格帯でメガネを提供しています。
この値段はレンズ代を含めたオールインワンプライスです。メガネスーパーに比べるとかない低い価格で提供しています。

低価格を実現できるのはSPAを採用しているためです。SPAとはspecialty store retailer of Private label Apparelの略で、商品の企画、製造から販売までを一気通貫して行うビジネスモデルです。

画像9


流通にかかる中間コストを抑え、低価格を実現しています。

ビジネス戦略(購入回数)

JINSの特徴の1つに、メガネを提供するスピードの速さが挙げられます。
店舗にレンズの在庫があれば、会計から40分程度でメガネを受け渡すモデルを確立しています。ショッピングついでに、ふらっと立ち寄って購入しても、当日中に受け取れます。

価格を下げたぶん、顧客アプローチ数と購入回数を増加させて売上を立てる戦略を取っていると考えられます。

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まとめ

あらためて、2つの企業の違いを整理します。

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今回の分析は同じ業種でも戦略の違いが如実に現れる例でした。ビジョナリーHD(メガネスーパー)はジンズHD(JINS)がとりきれていない層をターゲットにし、業績を回復させました。
提供サービスの名称からも各社の戦略が見てとれます。戦略の違いで同業種でも戦術は変わります。このような例は分析しがいがあり、非常に興味深かったです。

2社の今後の動向に注目していきたいと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。
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参照元

ビジョナリーHD有価証券報告書

ジンズHD有価証券報告書https://pdf.irpocket.com/C3046/kAZq/aBRq/eCbj.pdf

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