日記#9 『生活音と彼らの未来』
イヤホンが壊れたから有線イヤホンを使ってる。有線はノイズキャンセリングがない、スマホと一緒に付いてくるやつだから音楽だけに集中ができない。だからといって全部がダメなわけじゃない。生活音がより聞こえるようになった。雨の音、足音、虫の音、都会の音。それを聞くため、あえてイヤホンを外すようにした。普段は聞こえないようにしてるそれら全てが真新しいもののように感じる。
学校の友達が今、頑張っている。僕を取り残してどこかへ行ってしまうのだ。僕だけが時間が止まったまま、耐えなければならない。今苦しいのは彼らだけど、後々苦しみ始めるのは僕の方だ。彼らが安定し始めている頃、僕はまだ何も起こっていなかったら。そう考えてしまう。夜遅くまで残って将来のために努力をしている。今日僕は、その様をありありと見てきた。不確定な未来ほど不安なものはない。決められた未来ほど安心するものはない。彼らは後者のために努力をしているわけだ。僕だって別に努力をしてないわけじゃない。こうして毎日、せっせと文章を作り続けているわけだ。だけど就職活動と文章を書くこと、これらを比較してどちらが頑張っているかと言われれば、それは就職活動の方に軍配が上がるだろう。努力にはタイプがあれど、そこに差はないのに、そう見えてしまうのだ。しかし彼らの未来は明るい。僕の未来は薄暗い。ここから明るくなればいいのだけれど。
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