夜陰(140字小説) 38 めい 2023年2月18日 21:12 夜が好きだ。陰であればあるほど胸が高鳴る。夜陰に乗じて、一人ハイヒールで歩く時のトキメキは格別だ。コツコツという音が、やがて恍惚を伴い、脳を経由して、いつの間にか私自身がハイヒールの音そのものになる。遠く近く、やがて夜陰と同化する。この激しくも静寂でさえある時間を楽しめる幸せよ。とは言え、ひとりの夜歩きは怖い。一緒に歩いてくれるのは誰?妖怪よりも、幽霊よりも、怖いのは人間かしらね。 #140字小説 #夜陰 #ショートショート ダウンロード copy #ショートショート #夜 #140字小説 #夜陰 38