海外でのお魚の購入事情
前回は海外で日本食を食べたい時は、代用品を使って作るお話をしました。
今日は私の住んでいる南西ドイツには近くに海がないので、どうやってお魚をゲットしているかについて書きたいと思います。ドイツで海があるのは北だけで、「北海」と言いますが、南西ドイツから北海まで600キロメートルも離れています! お魚が恋しくて、北海まで旅した話はこちらに書きました。
いつも600キロも旅行できないので、近所に住んでいる日本の人達とグループを作って、オランダの「北海水産」という会社で、日本風に加工された冷凍魚を注文して、配達してもらっています。「北海水産」は日本で修行されたオランダ人の旦那さんと日本人の奥さんがやられている会社で、ヨーロッパ在住の人に日本風の魚を届けてくださっています。お刺身、干物、鮮魚、加工品まで(全て冷凍です)、配達してくれるので無くてはならない存在の会社なのです。
北海やノルウェー産の魚を日本風に加工しています。エビフライ、おでん、しめ鯖、ホタテの刺身、アジの開き、鮭の3枚おろし、鮭の刺身、銀ダラの西京漬などがあります。
ただ国境を越えての注文なので、配送料がかなりかかってしまいます。そしてミニマムオーダーはオランダ国外だと100ユーロですが、配送料を安くしてもらいたいなら200ユーロ以上の魚を頼む必要があります。200ユーロは今日のレートで言うと3万3700円。一体誰が魚のためにこんなに一人で払えるでしょうか。そこで、近所の人とシェアするというアイディアが出てきます。
私の住んでいる所では、日本の方が多く、地区ごとにそれぞれの北海水産グループが存在しています。誰か代表がみんなのをまとめて注文して、配達日に、グループのメンバーが自分の魚をピックアップに行きます。そうすることによって、比較的安い配送料で、美味しい魚がゲットできます。そしてその日は日本人のお友達と久しぶりに井戸端会議をするチャンスでもあります。おしゃべりしすぎて、魚が溶けてしまいそうになります(笑)。
もちろんドイツのスーパーにも魚はあります。でも日本のと違うんです。こないだはドイツの鯖で鯖の味噌煮を作ってみました。でもサバはサバでも、違うみたいで、全くおいしくできませんでした。鮭などはスーパーに出回っていますが、値段は結構高く、北海水産の方が安いぐらいです。
日本人と言えばお魚ですよね!ないと一層食べたくなるのが人情です。そして人は食べたい物はなんとしても食べようとしますね。いつもの法則です(笑)。
ドイツでもハンブルクなど北の都市では、また事情が違うのだと思います(羨ましい限り)。でも、なんとか北海水産と近所の仲間のおかげでお魚を食べられていて幸せです。