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今すぐ「読みやすい漫画」にするために、結論から。

「漫画の読みにくさってなに?」の話を前回(https://note.com/0501watashi/n/n86510b7c84f0)しました。

漫画の「読みにくさ」の理由についてざっくりとお伝えする形だったので、じゃあそれを実際の漫画のページでみてみよう、というのが今回の「結論編」です。

(なぜ結論編かというと、詳細を説明してたらすごく長くなりそうで面倒くさ…いや、伝えづらくなったので今回は結論だけが分りやすいよネ…と思ったから…)

とにかく。

早速ですが「読みにくい」漫画の例をだしてみましょう。

赤字修正>まちがった例 2-01


お分かりいただけただろうか。

これだけ見ると、「明らかに読みにくいじゃん」って気づく方、いると思います。でも、この「明らかに読みにくい」をしてしまう人が、結構いるんです。

私は絵が全く描けないタイプの編集なので、絵はなくフキダシだけ配置しています。絵があればこの漫画の「読みにくさ」はスルーされるかもしれません。
ちょっと読みにくいが、読めてしまう。読めてしまうからこそ、直せないままになってしまう。いろんな人の漫画を添削しましたが、「絵がうまいのに読みにくい人」って本当にたくさんいました。きっと、「絵でなんとか読んでもらっていたから、コマ割を気にしたことがなかった」んでしょうね。

「読みにくい」に気づくこと。

それがあなたの漫画を一歩前進させるコツです。
まあ御託はさておき、実際にこれを直してみましょうか。

それ!

正しい例


……普通になりましたね。

ひとつ目の方は「癖」みたいな、新人さんによくみられる特有の「勢い」的なものがあって、なんかちょっと面白そう感が画面から滲み出していたかもしれませんね。なので、ひとつめのほうを全否定するわけではありません。無茶苦茶な感じでも、「絵とあわせると迫力があってイケてる」こともあります。ふたつめは、ある意味ちょっと優等生すぎるかもしれません。

ふたつ目は整頓されて、おさまりのいいページになりました。

大きく変わったのは、「フキダシの読み順」なのではないでしょうか。

私たちは(主に日本の漫画を読んでいる人たちは)、基本的に視線を「右から左」に動かして漫画を読んでいます。
当たり前のようにやっていますが、これは作者の工夫によって(作者も気づかず慣習としてやっているかもしれませんが)、そう読んでもらえるようになっているのです。

いかに作者の思惑通りに視線を誘導させるか。それが、漫画の読みやすさの重要なポイントです。逆に言うと、作者の思惑通りに視線誘導ができていない漫画は、うまいとはいえません。
鳥山明先生は、特にうまいとされていますね。私は冨樫先生が最高だと思ってます。まあ、正直ここ読むより、「視線誘導」とかで検索したり、HUNTER×HUNTERを読み返してコマ割り模写をしてみるほうが断然勉強になります。(私は冨樫神信教です)

で、視線誘導は、フキダシの工夫だけではなく、絵でも工夫できます。が、それってなかなかセンスがいるし、かくいう私もこればかりはまだまだ研究不足なのです。ただ、「フキダシ」の置き方は、おそらく今すぐできる「視線誘導」の工夫のひとつです。ここから見直すことにしましょう。

とりあえず、どこが悪かったのか、赤字をいれてみましょうか。

再_ままなおし

お分りいただけただろうか…。
「読みやすさ」を伝えるべきなのにゴッチャゴチャしててすみません。
図や絵で説明するのが苦手な人間なんだ…。

簡単にまとめると、

①セリフは内枠線のなかにいれよう。
②フォントサイズとフキダシの余白感は基本的に揃えよう。
③フキダシの位置は、右から左/上から下に配置しよう。
④視線を誤誘導させないようにしよう。
⑤コマとコマの間の枠線は、右から左へは狭く、上から下は広くしよう。

…ということです。で、これをひとつひとつ説明しようと思ったのですが、まあ〜〜〜〜〜長くなったので、次にやります。(前回もこんな感じだったなゴメンなさい)

ではまた!


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