ツヤ子調べ② 『「発達障害」と間違われる子どもたち』を読んで… その1〜「発達障害」の社会的変化編〜
原因解明の1冊
今回、ツヤ子が読んだ
『「発達障害」と間違われる子供たち』成田奈緒子著 2023.3.15 株式会社青春出版社
は、前回の記事に書いた「発達障害ではないけど、気になる子どもの動き」の原因を解明してくれる1冊となりました。
181ページと、サクッと読めるページ数です。
おまけに中身は大切な部分は太文字になっており、成田先生が『読みやすさ』を大切にされて書かれたのが感じられます。
3回に渡ってお届けします
子育てについて色々学ぶ事が多かったため、今回は3回に渡って、本著とツヤ子が保育園で見てきた今の子育てについて書き残せたら、と思っています。
その1 「発達障害」の社会的変化編
その2「発達障害もどき」と睡眠不足編
その3 親子のコミュニケーションと「発達障害もどき」編
の3部構成でお届けする予定です。
出会いは山中教授
文献検索を細々と続けていたツヤ子。
ある日、
『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』山中伸弥 成田奈緒子著 2021.11.1 株式会社講談社
と、出会いました。
『ノーベル賞受賞者の子育てって?』
『脳科学者の考える子育てって?』
保育園の子どもたちの脳の発達に疑問を感じていたツヤ子にはキャッチーなタイトルでした。
内容は
山中教授が神戸大学時代に同級生だった成田奈緒子医師と子育てについて、学生時代の思い出話を語らいながら対談が進んでいきます。
そして、この本で出会った成田奈緒子医師にツヤ子は疑問解決の糸口を感じました。
成田奈緒子医師とは
小児科医であり、小児専門の脳科学者であり、その上、特別支援教育を行う教員を育てる大学教員でもあり、『子育て科学アクシス』という子育て支援事業を主宰されてる。
医療から教育と幅広く活動されています。
ツヤ子うっとり…。
中山教授と成田医師のやりとりはとても軽妙で、お互いに敬意をもっていることが感じられます。
医学的、科学的に証明されている理論を上手に使い、『自然に子どもが育って行く』(親の型にはめて育てるのではなく)という
環境を作ること、
それを守ること、
そして育って行くことを見守ること
を意識されていたのではないかと感じました。
この、押し付け感のない子育て…。でも大事なところは押さえてる感じ…。
ツヤ子うっとりです…。
やっぱり、頭いい人って、余裕があるというか、子育ても理論的。しかも理論的すぎず、精神的な暖かさも感じる…。
世界に認められるって、そういうことよね…。(また、うっとり…。)
成田先生の本を探す
『成田先生!脳ですよね!やっぱり子どもの脳が気になります!』と、一人興奮気味のツヤ子。
成田先生の本を検索…。
そして
『「発達障害」と間違われる子どもたち』 成田奈緒子著 2023.3.15 株式会社青春出版社
に出会いました。
『「発達障害」と間違われる子どもたち』を読んで
目からウロコが出るとはこのことか?
と、いうくらい、ツヤ子が保育園の子どもたちに対する、モヤモヤを、解説してくれる内容でした。
構成は
第1章「発達障害と間違われる子」が増えている
第2章「発達障害もどき」から抜け出す方法
第3章「睡眠が子どもの脳を変える」
第4章 親と先生のスムーズな連携が子どもを伸ばす
第5章 子育ての目標は「立派な原始人」を育てること
の5つの章で構成されています。
なぜ、「発達障害」が増えているのか?
統計調査を使って解説
第1章では国内外の「発達障害」に関する統計調査を使い、「発達障害が増えているように見える現象」を解説してくれます。何となく増えてるよね、という感じでないところが、爽快です!
社会的変化にも注目
「発達障害者支援法」と「障害者差別解消法」の成立が社会的変化をもたらし、今まで支援が及ばなかった子ども達に支援の手が届くようになりました。(各地に発達障害支援センターができたり、学校に支援学級ができました。)
社会全体に発達障害の理解が広まったその反面、「あの子も、この子も発達障害?」という現象を起こしたのでは、と成田先生は述べています。
「バリアフリー」なんて「キレイごと」
およそ30年前、ツヤ子が療育センターに勤めていた頃、障がい児医療というのは、かなりマイナーな分野でした。(発達障害者支援法がまだ成立していなかった時代)
知る人ぞ知る、みたいな感じです。
辛うじて「バリアフリー」という言葉が出てきて、公共施設に何となくスロープがあって…みたいな時代でした。
所詮、「バリアフリー」なんて「キレイごと」にしか聞こえない。
そんな厳しい現実が障がい児、障がい者にはあったと思います。
見えないバリアだらけの現実に、いかに心身ともに負けないか、当事者とその家族は試行錯誤の日々、そんな時代だったように感じています。
「発達障害者支援法」はそんなサバイバルな障がい児、障がい者の生活の助けになったことは間違いないと思います。
あの、社会的に取り残されたような「療育」、「発達障害」が、ここまで一般的な言葉になったことは、とても素晴らしいことだ、とツヤ子は思っています。
そして、(ちょっと話は逸れますが)インターネットの発展、スマートフォンの普及は、障がい児や障がい者の生活の可能性を大きく広げた、とツヤ子は感じています。
色々な変化が同時に起きていた
法律制定による社会的変化、そしてインターネットの発展という生活様式の変化と、障がい児、障がい者を取り巻く環境変化が、同時に起きていたんだなぁと、ツヤ子は思いました。
「なるほど~」なことばかり
本著はツヤ子の疑問にまだまだ答えてくれます。
「発達障害もどき」という概念は、まさにドンズバでした!
長くなりそうなので、次回に続く…。
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