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noterさんがお薦めくださった本


どのnoterさんの記事もあらすじや自分の考えが的確にわかりやすく書かれているのに、私は読み終えて何か書こうにも「わあすごいこんな世界もあるんだ!」くらいのことしか思い浮かばず、引用ばかりになり恥ずかしい限りです。
自分用の記録としてなのでお許しください。


「転がる検事に苔むさず」 直島翔・作
超一流と言われる弁護士事務所にスカウトされる久我検事がそれを断る場面。

「身を引き裂かれたくない。弁護士業は向かない」

法が裁かれる人に与えた正当な権利とはいえ、父を死に追いやった世の汚れた部分の弁護はどうしてもできないという感情がやはり小さくはなかった。

315ページ エピローグ

「罪の声」 塩田武士・作
未解決事件の総括を年末特集に組む新聞社の記者さんの奮闘ぶりです。

「グリコ・森永事件」には子供の声のテープが使われ、テーラーを営む曽根俊也がそれを自分の家の引き出しから見つけ、しかもそこに自分の幼い頃の声が録音されていたところから始まります。

左翼運動・リンチ・仕手株・暴力団などが絡み合い激しく話が転がりなかなかついていけず、二度読み返しました。

 事件が、自分の子ども同様、他の子どもたち、延いては社会全体をも巻き込んだことに、二十八歳の母はどれだけの想像力を持って対峙していたのだろうか。「警察」という言葉を聞くだけで思考停止に陥り、罪のない人々へ向けて個人的な恨みを晴らした行為が、正義であるはずがない。

392ページ
母というのは曽根俊也の母です

著者のあとがきにもあるように極力史実通りに再現されたと言うことで、ハラハラしながら読みました。
これだけの大規模な事件を起こした犯人たちが今もすぐそばにいるかもしれず、時効にはなっても解決していない事件です。

「子どもを巻き込んだ事件なんだ」と著者も述べています。
その子どもたちに未来を、希望を与えたいという物語を紡いでくれました。


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