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夫の記録簿

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2024年11月に十三回忌を迎える夫のお話です、本人は自分ほど苦労を重ねた人間はいないと思っていたのでしょうが、果たして如何?
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#無添加ソーセージ

二度目の家出

二度目の家出

夫は毎日悶々とした日々、私は取り組み始めた仕事が楽しく外に目が向いていた。

無添加のソーセージ作りをしてみたい、夫も私もソーセージは大好物で、突然三重県にある工房に連絡をとり、又単身車で出かけた。

今回は文机は積んで行かなかったが、焼酎をお供に張り切って出発。

寮があり、若い仲間達に持参の焼酎を振る舞ったりなどして、上手くやれてると思ったが、どのくらい経ってか又前触れもなくふらっと帰ってきた

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艱難辛苦

艱難辛苦

ソーセージ工房での修業も実を結ばず、独学で自宅の台所で作り始め、安全でなかなか美味しい腸詰めソーセージが出来るようになったが、売るほどは作れず収入には結びつかなかった。

その頃の夫の収入はあまり多くはない年金だけ。

男が収入がないのは辛い、と言ってた。

「年金を頂いているわ」と宥めても、働いて外からお金を持って帰れないのが辛い、正しく“男はつらいよ”

その頃、ふとした事で私の年収が高額であ

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