dppr不穏アンソロ感想

※注意!
今回感想を書いた同人誌は「成人向け」です。また、合同誌のネタバレを多量に含んでますので閲覧には十分ご注意ください。

どうも、Fujiです。

先日レイフレにて頒布された「dppr不穏アンソロ」に私も参加させていただきました。


合同誌の写真。画像だと見えづらいのですが、クラフト紙の落ち着いた色合いと金箔のコントラストが素敵です。


そこで主催の方をはじめとしてたくさんの感想をいただき、エールを受け取りました。なのでその恩返しというわけじゃないのですが、ざっくりと感想を書いてみた次第です。

みんな違ってみんな不穏。十人十色の不穏が詰まったアンソロジーは中々なく、不穏や曇らせが大好きな自分にとってこの本を読んでいる間は至福のひとときでした。その気持ちを皆さんにもシェアしたいと思います。

感想

びーふどんやななせさん

 デパの子たちってみんな育ちがよさそうなので、味がしなくて嫌悪感を感じていることに罪悪感を抱いたり、戻さないよう必死にこらえたりする姿がたまりませんね(変態)。そんな中、自分だけ吐いちゃってショックを受けて、さらにもらいゲロ(?)みたくなるゆいがツボでした。オチも綺麗で、かつ不穏にあふれる結末でした!

マイティ古賀さん

実は自分も少し考えたことのあるyikk不倫漫画。1ページ目の爽やかな雰囲気から一転して、ねっとりとした雰囲気になる2ページ目にグッと引き込まれました。焦ったそうにねだるゆいの表情と、罪悪感を抱きつつもゆいに頼られる嬉しさに溺れていくここねのモノローグがとても好きです!

たいがーさん 

最後のコマでのタイトル回収が綺麗で、「なるほど……」と唸らされました。ここねの独占欲が滲み出たモノローグがとても好き。「ゆいと2人でいるのが好きだから」という言葉も、このお話を読んだあとだとだいぶ意味合いが変わってきますね。

ミヤマサさん

タイトルのとおり、夢と現実が地続きになったような、幻想的な文章がとても素敵でした! ゆいと2人きりのパートの甘くてふんわりとしたここねの気持ちと、拓ゆいパートのときの焦燥感が交互に織り交ぜられていて、胸が締め付けられるけれど、甘々な成分を求めてページをめくる手が止まらない。自分は時系列や世界観を入れ替えながら書くというのが少ないので、yikkに対するアプローチの勉強になりました。

いかさん

正義と嫉妬との狭間で揺れ動くあまねの葛藤が濃縮されたお話。あまねは自身の正義を貫くのか、それとも……。あまねのモノローグから彼女の想いがひしひしと伝わってきて素敵でした!

花奏さん

泣き顔が癖な自分にすごく刺さりました! あまねみたいに凛々しくあろうとする女の子の泣き顔は美しく映る……。割れたグラスから溢れ出たパフェが、あまねの気持ちを映し出しているかのようで、最高に不穏でした。

おきょむさん

ジェントルーから解放され、フィナーレに覚醒する前のあまねですね。本編では描かれなかった彼女の苦しみが胸を締め付けてくるお話でした。一度混ぜたパフェの中身は戻らない、という一文が最高でした!

酉越くろうさん

あまねの追憶とモノローグから、罪を背負いつつも未来へ歩もうとする彼女の強さが感じられました。最後の反転コマ、とっても好きです!
あと表紙の絵も最高に不穏で、クラフト紙の魅力やパフェの飾りとしてとして添えられている溶けかけのスパイシーたちがhurtfulな雰囲気を引き立てていて好きです!

白咲さん

あまねはとても強い子なんですけど、だからこそ悲しそうにしていたり、苦しんでいたりする表情がとても似合う子なんだなとこのイラストを見て改めて気がつきました! 傷だらけの自分に切先を向けているのは、衝動と罪の意識からか——そんな妄想が掻き立てられるイラストでした。

も毛さん

もしナルシストルーがクッキングダムに収監されなかったら、フィナーレに諭されて改心するというエンドもあったのかもしれませんね。そんな中で昔の古傷を抉られて殴られるも、毅然とした態度を貫くフィナーレはとてもカッコいいと読んでいて感じました。最後のナルシストルーの後悔と、ぐちゃぐちゃになった彼の心情を表すかのような不穏な描写がすごくツボでした!

婀愛由比花さん

鳥籠の中にいるあまねを見つめるナルシストルーの表情が個人的にすごく印象的でした! 自分は、ナルシストルーがあまねを痛めつけようとは考えていなくて、ただ自分の手中に収めていたいという想いが見て取れました。鳥籠にとらわれるあまねもすごくいいなって思いました!

よださん

もしコメコメ一世がまだ生きてたら……と妄想に耽るパムパムとメンメンを見たときに、こういう不穏の形もあるのか……と気づかされました。今のコメコメも好きだけど、それでも一世とはやっぱり違うし、一世のことを知っているからこそ今のコメコメを見ているとモヤっとしてしまう。最後から2コマ目の黒塗りのコマにどんなモノローグが繰り広げられているのか、想像しては複雑な気持ちになりますね。

七井なないさん

デパの視聴者である自分からすると、ゆいのご飯好きは個性といえるレベルだと思うのですが、それでも他人の好きと自分の好きの熱量や種類を比較してはモヤっとしてしまうゆいが最高に思春期しててとても好きです! 最後の「味がしないや」というセリフも、ゆいが言うと不穏さが違うというか、このお話からどう発展していくのか、続きが非常に気になりますねー

はらさん

タイトルからしてもう好きですね。ゆいを神の如く崇拝する盲目的なまでの忠誠心と、そんな彼女に対する危機にひどく狼狽える情緒不安定な芙羽さまが癖に刺さりますね。そんなここねに対し、一貫して落ち着いているゆいや、随所に散りばめられたモノローグが不穏な空気を引き立てていて、ドキドキ(?)しました! Twitterに投稿されていた小説を読むと、本編では分からなかったここねの心情も味わえて二度美味しい。

ぽたこさん

ここねって特別な子にはどこまでも尽くすといいますか、危ういほどに健気な性格をしているんじゃないかって思ってたんですけど、そんな自分のイメージがギュッと濃縮されたお話だと思いました! 
(きっと本編の語られないところでは色々な葛藤があったのだとしても)躊躇なく海に身を投げるシーンは美しく、そして儚く感じられ、ここねのボイスを脳内で再生できるほどに物語に引き込まれました。そして表紙絵に戻ると、水面に沈んだ二人の姿が幸せそうに見えました。大好きだったゆいに会えてここねはとっても嬉しかったのかなと想像が捗る素敵な作品でした!

紅葉さん

報われない恋って個人的にはすごく美しく見えてしまって、だからこそここねの素直に祝福できない気持ちがモノローグからひしひしと伝わって胸が痛むのですが、同時にその切なさが心地の良いものに感じられる素敵で不穏な物語でした。ゆいに施したメイクの意図を拓海が見抜けずにほくそ笑むところとか、拓海に詰め寄るシーンとかとても好きです! 二人だけのネバーランドを夢想するここねに果たして幸せは訪れるのでしょうか。

セロリーさん

手錠をはめられとらわれの身になったゆいと、そんな彼女を襲うここねのイラストが大変助平で素敵で、不穏でした! この前に二人の間で一体何があったのか、非常に妄想のはかどるイラストですね。

兎申さん

開幕早々盛大にぶちまける芙羽さまが最高ですね(変態)。そして拓海が失踪してゆいに寄り添う傍らで、不穏な展開が並行して進んでいくので、ゆいここを補給しようにもこの先どんな展開になるのだろうとドキドキしていました。そして、寝ているゆいの唇を奪うときの描写が非常に官能的で、美しかったです! 自分もこんなねっとりとしたキスシーンを書けるように精進せねばと奮い立たされました。そこからの怒涛の展開は、言葉を失うぐらいすごい迫力と熱量が感じられました。
ハッピーシュガーライフが好きだったので、こういうサイコホラーものはすごく癖に刺さりました。

ちゃんかけアーハン!!さん

まさかこの場でケーキバースを拝見できるとは……! ケーキバースパロってオメガバースパロよりも圧倒的に供給量が少なくて、デパにも無いかなーって思ってたので大変楽しく読ませていただきました。危ういまでに拓海に対して献身的なゆいがとても素敵でした。自分もケーキバースパロ、書こうかな……

ゆりえるさん

このお話のおかげで、ここね×イマジナリーフレンド(で合ってるでしょうか?)の相性の良さに気がつきました! 叔母の何気ない言葉が呪いのように幼いここねの心を縛り付けた結果、拠り所として生まれたのがもう一人のここねだったのかな、などと本編を振り返りながら思いました。最後にここねと「こころ」が一つになるシーンが絵本みたいでとても素敵ですね。

くまパンさん

クリスマスケーキのレシピッピかわいい!と思っていたのですが、この合同の趣旨と泣いてる表情から、クリスマスが終わったら必要なくなってしまうことに怯えているようにしか見えなくなってしまいましたね。怯えるレシピッピの表情、すっごくかわいいです……。

どれも熱量があって、自分の癖や好きなものに忠実であることが伝わってくるような、読んでいてとても楽しい合同誌でした。ここで学んだことを吸収し、さらに不穏でシリアスな物語を書けるように精進したいです。



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