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できるかできないかじゃない、やるかやらないかだ

元日本ハムファイターズ監督であり、WBCで日本を世界一に導いた栗山英樹さんは、人生での進路選択や大切な決断をする際、「『できるか、できないか』ではなく、『やるか、やらないか』で判断する」と教えてくれました。彼は、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手の話を例に挙げ、こう語っています。「大谷選手が日本ハム時代、二刀流は無理だと言われ続けていたが、『やるか、やらないか』で判断して彼に挑戦させた。自分の可能性を信じ、大切にし、決めたら突き進むことが大事だ」と。彼のこの言葉は私の心に深く響きました。


よくよく考えていると現役時代の最後の数年、私も「やるか、やらないか」という視点でレスリングに取り組んでいました。やると決めた以上、やり抜くしかない。結果的には思い描いていた未来とは違いましたが、私はレスリング人生に一切の悔いがありません。レスリングを通して得た経験と成長は、自分の人生にとってかけがえのないものであり、心の底から「やって良かった」と思えるものです。


次世代を担う子どもたちに伝えたいのは、まさに栗山さんの言葉である「やるか、やらないか」ということです。挑戦することの大切さを心から伝えたい。やってみてダメならそれでいい。また新しい目標ややりたいことを見つけ、再挑戦すればいいのです。私たちの人生は予測不可能であり、誰もがどれだけ生きられるか分かりません。だからこそ、やれるときにやるべきだと強く思います。


私が「やりたいことはできるときにやる」という思考に至った背景


この考えを深く意識するようになったきっかけは、レスリングを通して経験した以下の3つの出来事です。

1. 東京オリンピック選考会出場断念:前十字靭帯断裂


東京オリンピック選考会を控えたある日、練習中に左膝の前十字靭帯を断裂しました。同時に半月板と内側側副靱帯も損傷するという「アンラッキートライアングル」に見舞われたのです。東京オリンピックの年には大学を卒業し、レスリングを引退するつもりでいた私にとって、この怪我はとても大きな衝撃でした。資格がありながらも、マットに立てなかったことは本当に無念でした。しかし、この経験を通して「やりたいことは後回しにせず、今できることに全力で向き合うべきだ」と強く意識するようになりました。

2. コロナウイルスによる大会中止

怪我からリハビリを経て、ようやく復帰を果たした直後、新型コロナウイルスのパンデミックが襲いました。復帰戦直後には多くの大会が中止となり、せっかく限られたレスリング人生を充実させようと頑張っていた矢先の出来事でした。この時私は「やりたいことをやれる時にやらなければ、いつできるかわからない」と痛感しました。コロナ禍で多くの人が同様のもどかしさを経験したと思いますが、私もやりたいことを今のうちにやっておこうとさらに強く思うようになりました。

3. 武者修行先のロシアからの強制帰国


その後、さらなる成長を求め、パリオリンピックを目指してロシアへ武者修行に行きました。そこには、私が目標とする東京オリンピックで優勝した選手をはじめ、世界トップクラスの選手たちが集まっていました。この環境で練習できることはとても光栄であり、毎日が挑戦の日々でした。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発し、日本政府や所属先から帰国命令が出されたため、私は練習を続けられないまま帰国せざるを得ませんでした。もっと彼らと練習を重ねたかったという無念はありましたが、自分の力ではどうしようもないことを痛感しました。

これらの経験を通して、「やれることはやれる時に全力でやり切る」という信念が私の中に深く根付きました。その結果、SASUKEへの出場という新しい挑戦も生まれ、自分の行動力や粘り強さをさらに強化することができました。

行動力を大切に、これからも挑戦を続ける


私の長所は行動力です。単身でロシアに渡るほどの行動力はもともとありましたが、これらの経験を通じて、より強い決断力を持つことができたと感じています。人生において「やるか、やらないか」という選択をすることで、自分の人生を本当に楽しむことができると確信しています。他人に憧れている時間はなく、自分のやりたいことに全力を注ぐだけで、時間はいくらあっても足りません。

だからこそ、「やれることを今やる」という信念を持ち、これからも一歩一歩前に進んでいきたいと思います。そして、次世代の子どもたちにも「やるか、やらないか」を決め、行動することの大切さを伝えていきたいです。

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