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シティやアーセナルも嵌った?流行するマンツーマンプレスの対策を考える

こんにちは。ナーゲです。
もうすぐJリーグの開幕を迎えますが、一方でプレミアリーグは非常に佳境を迎えています。リヴァプールが独走状態の中で、アーセナルやマンチェスターシティ、チェルシーなど2位以下が非常に混戦となっています。今日のテーマは「マンツーマンに打ち勝つ方法」です。

昨今のプレミアリーグはアスリート化が進んでいると言われています。それはマンツーマンプレスの流行が影響していると思います。

なぜか。マンツーマンプレスということは個の対決になります。そこで相手をスピードやフィジカル、テクニックで破壊していくような選手が求められる傾向になっていると思います。

具体的な例でいうとアーセナルやチェルシー、ニューカッスルやブライトンなどがマンツーマンプレスを使用しています。シティに関してはマンツーマンプレスをしていましたが、個の部分で剝がされて失点する回数が増えたのでゾーンに切り替えましたね。

ここまでマンツーマンについて少し話しましたが、あくまでアーセナルやシティ、チェルシーなどは全てマンツーマンでプレスを行うわけではありません。相手やチームの状況、センターライン付近やゴール前などでブロックを敷いて守ることもあります。  


※今回はマンツーマンプレスの対策を考える回です。



具体例1 シティvsチェルシー

シティvsチェルシー 67分のシーン

このシーンは先月行われたシティvsチェルシーの二点目のシーンです。みなさんの記憶にも新しいゴールかと思います。この後の三点目も同じようなゴールでした。
この試合のチェルシーはシティに対してマンツーマンでプレスをかけることを選択しました。前述した通り、マンツーマンは個vs個の対決になります。要するに味方のカバーが無い状態になります。そうなればシティには最強兵器の⑨ハーランドがいます。フィジカルで相手を破壊し、前を向ける。そこにロングボールを供給すれば一気にゴール前まで進めます。

このゴールの何が素晴らしいか。エデルソンの判断です。
特にシティほどの保持志向の強いチームが、ロングキックを一番遠くに蹴る判断をしたことです。外から見ていたら判断としては普通かもしれないですが中でプレーすると難しいものです。実際にシティも繋ごうとして失敗しているシーンは何度もあります。次はそのシーンを見ていきましょう。

具体例2 アーセナルvsシティ

アーセナルvsシティの26分のシーン

この日のアーセナルは㉙ハヴァーツのプレスから始まります。㉙ハヴァーツが⑱オルテガの利き足のサイドを切りながらプレスを駆けます。上の図のシーンは⑧ウーデゴールです。それと同時に周りの選手が自分のマークを捕まえます。特にCBの②サリバも自分の前のマークを捕まえに行きます。
上の図がシティからボールを奪ってチャンスを作った26分のシーンです。このようにボールに制限がかかったら全員が前向きに矢印を出しボールを奪いに行きます。

ここでポイントなのが㉙ハヴァーツの利き足制限のプレスです。⑱オルテガの右足の方向から限定することでロングボールを蹴りづらくします。右利きの選手はもちろん右にボールを置きたいので右から来たら当たりそうになるので、一気に蹴りづらくなります。前半のアーセナルの先制点も同じようなプレスからの得点でしたね。このようにアーセナルの上手い限定の仕方でシティが嵌ったシーンでした。

ではどのような回避方法があったのか。それは同じ試合のアーセナルが行った対策と繋がりました。
この試合、アーセナルはシティより明らかにロングボールの数が多かったです。特にアーセナルは前線に㉙ハヴァーツがいるので前線のターゲットに合わせる形を敷いていました。それが下図の形です。

アーセナルのハヴァーツを用いた前進方法

アーセナルの㉙ハヴァーツはプレスを駆けられる前、もしくはプレスを駆けられそうになる時に㉙ハヴァーツは相手のSBと競ろうとします。これはシティ戦だけではなく、他の試合でも頻繁にみられる現象です。㉙ハヴァーツの身長差を活かせるだけでなく、⑪マルティネッリとの数的優位も活かせれる形になっています。このようにしてアーセナルは相手のプレスを回避していました。

しかしそんなアーセナルでもそのロングパスが通用しない試合がありました。それが次の例です。

具体例3 ニューカッスルvsアーセナル

ニューカッスルvsアーセナルの60分のゴール

続いて紹介するのが、こちらも先日行われたカラバオカップのニューカッスルvsアーセナルの二点目のシーンです。これも先述したシティの危なかったシーンと酷似しています。⑩ゴードンが㉒ラヤの利き足を限定するようにプレスを駆け、㊶ライスにパスを出させたところで奪いゴールに繋げたシーンです。
アーセナルはこの試合、㉙ハヴァーツにロングボールを入れて跳ね返されたところを入れ替わり、⑭イサクがシュートにもっていくシーンがありました。これを機にアーセナルはロングボールで前線の質的優位では勝てないと判断し、下から地道に繋いでいく方法を選びました。もちろん、それにはリスクが伴います。そのリスクが悪い方向に向かってしまった例です。

ではどうするべきだったのか。これはあくまで自分の考えですが、ピッチ上のフリーマンを使い、前進する。です。
上図では⑩ゴードンが②サリバのパスラインを消しながら㉒ラヤにプレスを駆けました。その時のピッチ上のフリーマンは②サリバになるわけです。なのでその②サリバに上手くボールを持っていって前進しようという考えです。
これがめちゃくちゃ上手いのがブライトンです。ブライトンはGKにプレスが駆けられたときに中盤の選手やCBの選手がサポートしてワンタッチでフリーな選手にレイオフで持っていくシーンは多々あります。そこの細かい中盤の選手のマークの外し方やディティールはすごく大切なんだなと思います。


少し昔の試合ですがこの試合の2:30~のシーンなんかは諸、先ほど説明したシーンが事象として表れています。ぜひ見てみてください。



結論

結論としてはマンツーマンプレスに対して前線の質的優位を活かしたロングボールでの陣地回復、それが厳しいときの自陣からのフリーマンを利用した前進です。GKがビルドアップに参加するからこそ最終ラインで数的優位を作れますが、その選手を見つけることができるのか。それが難しいですし、それに向き合えるか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。今週からJリーグが開幕するので書ける時間があるときに色々最近考えていることについて整理しました。今週のJリーグもめちゃくちゃ楽しみです!

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