松濤美術館で須田悦弘さんの展示見た
渋谷の松濤美術館で須田悦弘さんの展示を見てきました。
松濤は「しょうとう」と読むらしい。
当然ですがこのnote、展示内容のネタバレがあります。
「ネタバレがあります!」って言いたくなるような構成でしたねえ!楽しかった!
きっかけはインスタです。このリールだったかな…?
劇団壱劇屋さんのsquare area2023を思い出したのですわ…(作品内でお花がキーアイテムで、会場のいろんなところに紙で折られた花がそっと置かれていた)
動画じゃなくてこれ系の写真がドーンのストーリーだったかも?ようするにポスターのビジュかな…?
撮影オッケーの展示でした。
写真NGの場所はたしか2箇所あり、1箇所が「下に物を落とすかもしれない位置での撮影になるので危険だから」、もう1箇所は…あれなんでだったんでしょう。
入口を塞ぎかねないからかな、それとも、あそこも「物を滑り込ませかねないから」ですかねえ。空調にかすかに揺れていて可愛かった…
「いっこめ」が分かりやすいようになってるの、よかったですねぇ。白い壁、目線の高さに赤い花びらがあって、何故こんなところに!と上を見上げると「ある」という…
だんだんね、ノリというかテンポ感が掴めてきて、「ここ曲がったとこに絶対ある…あったー!!」とか「この意味深な空白は絶対何か…あったー!!」になっていくんですよね。これはゼルダとかのゲームで培った「たぶんここに宝箱置いてるやろ」のノリに近かったかもしれませんが…
展示内容一覧の紙、受付でも一枚持っていくように言ってもらったし、紙の入ったラックにも「必ず」みたいなことが書いてあった気がします。
この企画展、「作品!!」って感じのわかりやすい作品には近くに普通に作品のタイトルや説明書きが書かれてるんですが、小さい花や雑草などの間違い探しみたいな作品には敢えてそれが添えられてないんですよ。楽しかったー…!
足元に作品がありますよ、というのを「壊さないようにしてください!」ではなく「見逃さないようにね」の方向で注意書きしてあるのもよかったな…
なんというかこう…美術館側が客を信頼してくれているのだから我々もそれに応えねばな…!の気分になりましたね。
屋内に作られた部屋、の中の作品、「これもしかして…名前分かんないけど…あのものすごい花のやつ…?」になり、マスク外してにおいを嗅いでみたりしました。特にそういうことではなかった。足を踏み入れた瞬間のちょっとひやっと、そわっとする感じ、面白かった。
靴を脱いで見る箇所があってよりその気分が強まったのですが、ものすごく屋外散歩してる気分でした。吹き抜けみたいになってて天井も高かったし…
木彫りの植物たち、だいたい壁から生えてるので次第に照明器具もそういう植物みたいに見えてきて可愛かったです。
ただめっちゃ高い位置の壁に生えてる花を見た瞬間、コポコポっと、水中の気分になったのは我ながら謎でした。地中に埋まった気分になってる…?地下階から地上階の高さにあるものを見たから「自分は『面の下』にいる」の気分が高まった…?
隠し要素的な作品の話。
共感展(東京都現代美術館での「あ、共感とかじゃなくて。」という展覧会)を見に行ったことがあるので、こういうのは得意だぜ!と思っていたのに発見し損ないましたねえ…予想は当たってたのに、たしかにそこを見ていたはずなのに(共感展でマジであの隠し方知ってたのに!)ヒントなしでは見つけられなかった…!ぱっと見で「ないかあ」と流してしまった…
一階の廊下から地下の展示室を見下ろすの、すごく面白かったな…
みんな雑草撮っとるわ〜(私も撮った)になったり、逆に上の私の視線を拾った下のお客さんが例の隠し作品に気づいてそこにスマホを伸ばしたりが発生したりしました。
チューリップの向かい側にいるのも面白かったです。チューリップ見てる時は「チューリップ、窓、窓の向こうの外」までくらいしか見えないけど、向かい側に立つと「窓、窓の向こうの外、その向こうのチューリップとそれにわ〜って近寄る客」まで見える。
いやあのチューリップ、ほんと足元にぽんと置いてあるのであれすごいことですよ…左右のソファがスタッフオンリーになっているテクニカル線引きも含め…窓の反射で裏面が見えるのはそういう計算だったんですかね、とにかく宙に浮いているようで面白かった。
補作、初めて知りましたがたいへんインタレスティングでしたわ…
私クラシックのグスタフ・マーラーが好きなのですけども、交響曲10番が遺作で未完成のまま終わっていて、スケッチなどをもとにそれを「完成」させる…ではなくたしか「補筆」って言い方するんですよね。なんとなく思い出したり…
帰り道の展示。
1箇所は会場入る前にすでに見つけており、おお〜こんな感じか〜と思いながら写真も撮ったのですが、展示を見て回って帰り道に改めてまじまじ見ると、「あ、ここも金色の部屋なんだ」と背景の壁の色に目が向くようになってました。楽しい経験をした…!
うふふ、冒頭に「ネタバレありますよ!」と書いたものの、隠し要素的な作品の写真はなんとなく載せるのを躊躇われますねえ。楽しい。楽しかったです!