骨壺に入れたいモノ
1年半前、祖母が亡くなりました。91歳でした。
祖母は、教員をしていました。
子どもを3人産んで育てながら仕事をしていたので、今で言うワーキングマザーでした。
祖父は仕事も家事も育児もなんっっにもしない人だったので苦労は推して知るべし。
私が物心ついたときにはすでに退職していましたが、元教員なだけあって甘やかされた記憶はありません。何かと厳しい祖母でした。
そしてよく笑う愛らしい人でした。
そういえばひ孫(息子)が産まれた時の第一声は
「ママて呼ばせなすなよ(ママって呼ばせてはいけないよ)」
でした。その真意はもう聞けません。未だに謎。
その祖母が亡くなった時、火葬した後骨壺に入れるモノについて実家で少し話が盛り上がりました。
骨壺に入れるものって言ったら骨以外あんの?
と思いますが、私は30年近い昔、曾祖母が亡くなったときに火葬した後に眼鏡を骨と一緒に骨壺に入れた記憶があるのです。
子ども心に、骨壺って骨以外入れていいんだ!と驚きました。
ちょっと調べてみたら花や食べ物など腐敗するもの以外は入れていいみたいですね。
そこで、祖母も火葬されたら何か入れるのかと思って両親に聞いてみたのですが、
曾祖母はかなり高齢で焼いた後ほとんど骨が残らず骨壺もスカスカだったので眼鏡を入れる余裕があった
焼いてみないと分からないけど本人から遺言的に入れて欲しいと言われているものはないし、骨だけでいっぱいになったら何も入れられない
と言われました。
実際、結構しっかり骨が残っていたらしく祖母の骨壺には骨しか入ってません。
その後、自分の骨壺に何を入れたいか?という話題になり、両親に何か入れて欲しいものがあるか聞いてみました。
父 特に何もない
母 何か入れたいけど何も思い浮かばない
まぁそうなるよね。
では棺に入れて一緒に燃やして欲しいものは?
これならありそう。
父 特に何もない
母 お花!百合!胡蝶蘭!大好き!
たっけぇ花ばっかり…。
よし、百合も胡蝶蘭も入れてあげるから今から棺桶に入れる花代として積み立てといて!
と言って話はまとまりました。
決して買ってあげるとは言わない。
父は「何もない、全部捨てていい」というので、少し考えてみました。
棺に入れるとしたら生前愛用していたモノ、好きなモノ…
ポップコーンだ。
タバコは吸わない、お酒も飲むけどほんの少しだけでこだわりの銘柄もない。
いつもイオンで買ってきたすんごいやっっすいポップコーン(塩、キャラメル)をポリポリおやつとして食べる父。
気がつけば食べてる。
口寂しいと食べてる。
ただいまーって家に帰ってきたらもう手が伸びてる。これだ。
私 ポップコーン入れてあげようか!
だって好きでしょ!?
父 ええ〜…そぎゃんたよか…(そんなのいいよ)
するとこれを聞いていた兄がさらに提案してきました。
兄 いや、乾燥とうもろこしを入れようよ。
火葬中にポップコーンになって弾けるよ。
焼き終わって開けたらいい匂いするかも。
私 おww父wwさんの骨がwwwいい匂いにww
キャラメルの香りの骨がw出てきちゃうww
香ばしい骨がwww
兄私 あはははは!!!www
※棺にポップコーンは多分入れられますが跡形もなく燃え尽きます。
不謹慎極まりない話をnoteに晒してしまいましたが、私はこの話をした時とても楽しかったのです。
いつか必ずくる悲しい事を笑って備えるのは悪いことではないと思います。
父はあまりにも私と兄が悪ノリして、あれも入れようこれも入れようと話を大喜利よろしく広げるので
何も入れんでいい!と一蹴していました。
私 じゃあ何も入れないからさ、
骨壺には結婚指輪だけ入れようか?
火葬したら多分溶けるから外しておくよ。
父 ああ、それだけでいいな。
はい、約束は守ります。
それを聞いた母も骨壺に結婚指輪を入れて欲しいと言っていました。しかと承りました。
死んだら何も持っていけない、棺桶には入れられない、というセリフをたまに聞きますが、
骨壺に入れたら持っていけますよね。
骨壺に入れて欲しいものはありますか?
私もやっぱり、結婚指輪かな。