電話が苦手
好きな人の声だけでも聞きたくて
用もないのに電話をしたことはありますか?
私はありません。電話がとても苦手なのです。
きっかけは明確に覚えています。
小学校1年生の頃、自宅の固定電話に電話がかかってきました。
その頃は親から電話が鳴ったら取るように、と躾けられていたので当たり前に受話器を取りました。
はい、〇〇(実家の名字)です。
××ですが、長男(兄の名前)くんいますか?
電話の相手は4つ離れた兄の同級生でした。
明日の学校のことについてだったのかは忘れましたが、遊びの誘いの電話ではなかったと思います。
はい、(兄は)います。
………。
………。
お互い無言電話が続きます。
その後、3回くらい「長男くんいますか?」「はい、います」だけのやりとりを無言電話を挟みながら2分くらい続けていたら相手が電話を切りました。
一連の流れを横で見ていた親に、電話切れちゃったと相手に言われたことも一緒に報告したらめちゃくちゃ怒られました。
なぜすぐ代わらない
兄の在宅を聞かれたのだから兄にすぐ代われ
それぐらい考えれば分かるだろう
これ、小学校1年生の私には分からない理屈でした。
兄はいる?と聞かれたから、いると答えた。
聞かれたことに答えたら電話を切られた。
それの何がいけないのかが分からない。
だって相手は電話代わってくださいって言ってない。
という自己弁護が出来なかった私は、電話を取ったら親にめちゃくちゃ怒られた、という記憶だけがしっかり残りました。
会話の流れというか、空気を読むのはこの頃からすでに苦手です。
以来固定電話はもちろん、電話の相手が表示される携帯電話でさえ出るのが怖いです。
聞きそびれ、聞き間違い、勘違い、あらゆるリスクが電話には潜んでいます。
しかし、就職してからはそうは言ってられず、鳴る電話はほぼワンコールで取らなければいけませんでした。
内線はまだマシだけど外線なんかもうただただ恐怖でしかありません。
・電話を取るまで相手が分からない
・情報を耳だけで理解しなければいけない
・言葉遣いに気をつけなければいけない
ハードル高すぎ。
特にちょっとでも相手の滑舌が悪いと聞き間違いは避けられないのに、何故か聞き間違える方が悪いとされる傾向があるし。
適当に聞いて聞き間違えてる訳じゃないのに。
電話対応って、メモすればいいとか、あらかじめ予想される質問とか聞かなければいけない最低限の質問を用意しておくとか、ちょっとした工夫でどうにかできるレベルではない高スキルが求められると思うのです。
耳からのみの情報を整理して、場合によってはメモしながら、電話の向こうの相手のテンションを読み取りつつ返答を瞬時にしなければいけません。
無言の間も許されない。
臨機応変の極み。
なんでみんな当たり前にできるの?
そして、電話が怖いと幼少期から刷り込まれているせいか、学生時代は好きな人と長電話するなんてことも縁がありませんでした。
特に用がないけど声が聞きたいだけの電話って、電話代と切るタイミングが気になって話に集中出来ないんです。
よかったーメールがある時代でよかったー!
バブル時代だったら絶対彼氏できなかったー!
もちろん、友達との長電話も話したい事が積もりに積もってないと出来ません。
旭川くらい積もんないと無理。
どうにかこの電話恐怖症を治すために何かないかと調べたり試してみたりしましたが、効果のあるものはありませんでした。
結局、電話に出る時はいつもボールペンと紙切れ片手に耳に全集中するのみです。
あとは気合。これ以外ありません。
自宅に固定電話がないので子どもたちも電話は苦手になるのかもしれないと少し心配しています。
どれだけテレビ電話やzoomが当たり前になる時代がくるといっても音声通話だけのコミュニケーションは絶対なくならないと思うのです。
生まれた時から携帯電話1人1台世代って便利だけど新しい苦労がありますね。
頑張れ実家に固定電話ない世代。
そんな私ですが、電話でパンツ何色?って聞いてくる変態にはパンツ穿いてませんと答えようと心に決めています。
まだ聞かれたことはありません。
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