手料理のはなし
昼休みも残り10分をきった頃。
「毎日、弁当作ってるんですか?」
給湯室で食べ終えた弁当箱を洗っているときにふられる話題は、いつもこれだ。
若い独身の男が毎日弁当作るのがそんなに珍しいか?
まあ、あんたら若い頃は、男は料理しないもんだったかもしらんけどさ。
それよか、薄給なもんでね…。毎日コンビニ弁当なんて贅沢はできないんすよ。
っていうボヤきは心に仕舞って、
料理好き男子として振る舞う。
実際、これだって嘘じゃない。
自分の作った料理を、美味しいと思って食べられるのは、存外に幸せなことなんだと思う。
今日の声の主は、この春からやってきた新人だった。
新人とひと口に言っても、中途採用で齢は40近いらしい。
まあ、うちの男性陣のなかでは、自分が1番の若手だから気軽に話しかけやすいのだろうとか、どうでもいいことを考える。
昔は自分の作ったものが美味しく食べられなくて料理が嫌いだったこと。
金なくて自炊してたら、案外作ることも自分の料理を食べることも慣れてきて、次第にハマったこと。
ルームシェア時代の友達に毎日ご飯作ってたこと。
今は週末に作り置きしてること。
いつしか自分の中で鉄板の流れになったことをひとしきり喋る。
聞けば、自炊は全くしないらしい。
単身赴任前は、いつも奥さんの手料理を食べてたとか。
サラリとマウントをとられて心にダメージを負いつつ、手料理って美味しいっすよねと笑顔で返せるんだから俺も偉い。
そんなことで、ふと思った。
手料理を最後に食べたのいつだろう?
少なくとも、親の手料理はしばらく食べてない。
高校を卒業して実家を出て、、、
それ以来数年まともに帰省すらしてないからホントにいつぶりだろうか?
まだ寮生だった頃か?
あのときは、毎日誰かしらの作った温かいご飯を毎日食べてたって考えると、ホントに贅沢がすぎる。
(まあ、この頃は料理嫌い期だったから自分が作るのはマジで嫌だったけどw)
寮を出てからは、自分が作る側が圧倒的に多くなった。
まあでも、時々は誰かしら料理してくれてたな。ありがとう。
じゃあ、手料理食べてないのもこの1年くらいってことになるな。
自分のご飯と、お店で食べる料理で、満足はしている。
でも、やっぱり顔の知れた誰かが自分のために作ってくれる料理ってすげぇ美味くって。
冷めてても温かく感じるし、
味が濃くても薄くても、自分好みの味付けに感じるし、
量が多くても少なくても、ちょうど良くお腹いっぱいに感じちゃう。
そんな料理をたまには食べたいなって、
思った今日の昼下がりでしたとさ。
ま、作ってくれる人もいないやつの、寂しい独り言ってやつだね。
今日の弁当、うまかったな
即ち、明日の弁当も美味しい(確定)
(何故なら、同じ中身だからね)
ひさしぶりの投稿なのに、しょうもない内容だな、ねよ。
見出しのやつは頑張ってた1年前。
当然長続きはしなかったから、それ以降はずっとこんな感じ。(下)