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いらっしゃい、夢よ

セットアップが届いた。

つい先日、長年探し続けていた理想の(に近い)セットアップをみつけた。

この期間、わたしはセットアップという響きに心酔し、耳にすれば目にすれば、すかさずその形を探しに行った。
雑誌で調べ、ネットで調べ、あらゆる単語とともに、"セットアップ"というワードを検索にかけた。



いつしかわたしにとってセットアップは、遥か彼方の夢のような、絵空事のような、虚構のような存在になりかけていた。

もしかしたら自分の思い描くセットアップなんて、この世にないんじゃないか、とさえ思っていた。

わたしは探すことを続けながらも、セットアップという響きに溺れ、もはや手の届きそうもない、ひたすらに遠い夢を追いかけているような心地で、これまでの日々を過ごしていた。



そんな5年目の、初夏も始まろうというこの季節である。

わたしはついに、それに出会うことができた。

それは偶然の出会いだった。

いや、もはや必然だったのかもしれない。

突如として目の前に姿をあらわしたそれに対する喜びは、わたしの中をゆっくりと侵食していった。

わたしはついに見つけたことを素直に認めることに、少々時間を要した。



今、それはわたしの目の前にある。

早く袖を通したいと思いながらも、それはとっておきの場面にしたいと思う気持ちもあり、いつ着ようかと考えあぐねているところである。

とびっきり着飾る大切なときまで

まだタグは切らないことにする

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