いらっしゃい、夢よ
セットアップが届いた。
つい先日、長年探し続けていた理想の(に近い)セットアップをみつけた。
この期間、わたしはセットアップという響きに心酔し、耳にすれば目にすれば、すかさずその形を探しに行った。
雑誌で調べ、ネットで調べ、あらゆる単語とともに、"セットアップ"というワードを検索にかけた。
▽
いつしかわたしにとってセットアップは、遥か彼方の夢のような、絵空事のような、虚構のような存在になりかけていた。
もしかしたら自分の思い描くセットアップなんて、この世にないんじゃないか、とさえ思っていた。
わたしは探すことを続けながらも、セットアップという響きに溺れ、もはや手の届きそうもない、ひたすらに遠い夢を追いかけているような心地で、これまでの日々を過ごしていた。
▽
そんな5年目の、初夏も始まろうというこの季節である。
わたしはついに、それに出会うことができた。
それは偶然の出会いだった。
いや、もはや必然だったのかもしれない。
突如として目の前に姿をあらわしたそれに対する喜びは、わたしの中をゆっくりと侵食していった。
わたしはついに見つけたことを素直に認めることに、少々時間を要した。
▽
今、それはわたしの目の前にある。
早く袖を通したいと思いながらも、それはとっておきの場面にしたいと思う気持ちもあり、いつ着ようかと考えあぐねているところである。
とびっきり着飾る大切なときまで
まだタグは切らないことにする
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