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新しい家族 2

監督不行き届き

 トラ猫のテトンの具合がすこぶる悪かった。本人(猫だけど)はどこ吹く風なのだけど嘔吐が止まらないで1週間程続いていた。休みを取り同居人と秋の紅葉を見に行く予定を返上して動物病院へ先生によると「まあ誤飲でしょう」とのことだった。子猫は好奇心がありすぎてなんでも舐めてしまうらしい。それを親猫がたしなめるらしいのだが、そこらへんが欠如している。先生はそこらへんは言葉を慎んだが要は僕らの監督不行き届きということ。反省しゲージを使って生活を新たにはじめた。

ゲージが今生の別れ

 このトラ猫は対人依存症なのでなくしわめくし、中の餌やトイレの紙製の猫砂も散らかし放題。外出や仕事で帰ってくるとゲージの中は大惨事。仕事で疲れて帰ってきてゲージを片付けるのは本当に大変なのだけど嘔吐はやっぱりなくなった。病院でもらった薬を朝晩2回あたえて遊ばせて、僕らも寝るのだがその時にずーっと泣いている。最初の日は朝までおかげで3時間しか寝れなかった。この世の別れのような寂しいなきごえでずーっとなく。声がかれないのかぁと思っていたら3日目にかれて声が出なくなっていた。僕らはぐっすり寝れたのだけど。

同居人との過去

 僕と同居人はネットで知り合った。昔のガラゲー時代にあった「mobage-」と言われたSNSで、直接のやり取りは禁止なのだけどそこいらは抜け道があってそのころは直接知り合いになれた。変わったこだなとは思っていたけど普通にデートをして同棲を始めた。そこで色々に気づく、とにかく料理・洗濯・掃除などと家計などは全くできなかった。結果的に僕の負担になり僕もイライラがつのり最後にきれた。彼女は初めて泣いた。本当は泣き虫だったらしい。僕は動揺した。イライラより大人の女性に泣かれるのに慣れていなかった。そこで僕が料理を教えたり家計簿をつけたりした。子供が急にできたみたいになった。彼女の本性が出始めたのだ。母親に置いてけぼりをくらい祖母に育てられた彼女は家の中でほとんどしゃべらない。朝は菓子パンを食べて仕事に行くのだけど本屋の定員業務しか知らない。ほかの接客や労働はできない。本が大好きで知識というかは豊富で漢字の読みもすごいのだが他の科目を何も知らない中学から学校に行ってない。帰ってくるとご飯だけを炊いてお惣菜を買って夕飯を食べる包丁は持てなかった。僕と生活を始めて僕がトーストを焼いて食べたりすると驚いてそれをまねるようになった。味噌汁を飲んだ時もびっくりしていた。僕も一人暮らしは長かったが料理などはやったことがなかったがそれで覚えていく。彼女が僕が作った生姜焼きをうまいうまいと食べたときは本当に嬉しくなった。

 天然ミニマリスト

 家事と仕事は大変だなーと本当に思うようになった。父子家庭などを見るとすごくわかるわかると思うようになる。洗濯や洗い物は1年くらい生活をしているとできるようになった。(トイレと風呂場はいまだに僕の担当だけど)彼女とと暮らして僕も正社員をやめて派遣で仕事をするようになった。5年ぐらいは社員で勤務してたのだけど、社員だと時間の拘束が厳しいしやたらと責任を押し付けられるし、あとは彼女は何もできないけど何も欲しがらない人だったのがすごく影響した。本とチョコとかのお菓子とオレンジかリンゴジュースさえあればいい化粧もしないし(ファンデーションくらいは塗るけど)装飾品や服も必要最低限。いまでいうミニマリストなので荷物がない。3畳ほどの部屋にいて生活ができる。僕ももともと必要なものしか持たないけどそれは貧乏な一人暮らしで部屋が狭かっただけで彼女とは違った。あと彼女は待っててというと公園のベンチなどでずっと待ってる。本当に時間待っても平気でずっと本を読んで待ってる。僕が仕事で遅くなるとショッピングセンターの中にあるベンチで待ってた。僕の顔が見えると本当に嬉しそうな顔をして「いっしょに帰りましょう」という。父性本能とでもいうなかな胸がキュンとしてなんかたまらなくなる。「HOME」が流れてきそうになる。なんかいびつだけど僕はここに居たいと願う。

トラ猫(テトン)

 テトンがきてやく1ヶ月になった。今は元気で飛び回り寝るときは布団で寝ても誤飲しない(ちょっと不安だけど)までになった。人が好きすぎて一緒に寝ると本当によく寝る不思議な猫。僕のわきの下にすっぽりと入って寝るので(寝返りをうてなくて軽くむち打ちになったけど)猫なので掃除はできないので僕が掃除をして猫マットをしき寒いのでストーブと猫の敷毛布にを温めたりしている彼女も不器用だけど色々してくれる。ゲージの掃除をしてくれてちょっとびっくりした。まあこのいびつな家族の生活はづづいている。

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