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読書日記253 『ボクたちはみんな大人になれなかった』

マーク・ザッカーバーグが僕たちに掲示したのは「あの人は今」だ。ダサいことをあんなに嫌ったフェイスブックに投稿された夫婦写真がダサかった。

ボクたちはみんな大人になれなかった

燃え殻さんの作品。ナルシスト小説というか(僕が勝手に名付けてます)村上春樹らナルシストに触発されたであろう人達にグサッとくる内容になっている。

今みたいにデジタルで何もかもが見れてしまう世界になるちょっと前のアナログとデジタルの世界を行き来する世代を過ごした人に漂う哀愁(エレジー)というかをそのまま書き散らかす感がある作品。


主人公は高卒で食品工場のバイトとして働く。外国人労働者として仲良くしていて、将来に絶望を感じたあとに求人雑誌から仕事を探し始め、制作会社のバイトをはじめる。

その制作会社がブラックで社員がいなくなる中で奮闘し、テレビなどの仕事をもらえるようになって地位や収入を得ていく……

成功者として過去をみるというナルシストの作品になっている。職業柄、きれいな若い女性と知り合い付き合いができるなかで、昔の惨めな自分に寄り添ってくれたブサイクな女性を想い出すといった内容。


懐かしく感じる世界観と若い世代に響く部分が錯綜して、緩やかに文章が落ちていく様を読めるのは、うまいなと思う。落ちていくというか文章が落ち着く部分に余韻がないと読むのが大変になるので、そこらへんが落ち着いているのは読みやすい。


昔にこういう文章を誰かに読んでもらいたいとなると、ホームページを制作しないといけなかった。ブログが出始め(2000年~)たので人が簡単に文字を書いて乗せれるようになった。

プロバイダと契約するとサービスでホームページや掲示板が作れた。すぐに「ホームページビルダー」というソフトが普及したりして簡単ではないけど普通にホームページができるようになった。

ブログをサービスが出始めで変わった。SNSなども出始めたその時から掲示されるなかに小説があった。

CSSという言語やPHPなどががでてその後にwordpressというソフトが普及した。専用のサーバー契約をして個人的にブログを書いたりする。

難しいぶん「書きたい」が強い人間が書いていた気がする。自分でシステムを作るために誹謗中傷も多かった。ただ、情報が多かったのもこの時代な気がする。今は広告が多く、情報欲しかったら広告みてねが多く。情報も簡易的にまとめた感じがする。

今の人たちは逆に「どう表現するか?」が大事なのだから大変な気がする。TikTokやInstagramのリールを観ていると、どうしたらいいのかを模索する映像なんかが流れる。歳をとった方たちが顔にエフェクトをつけてライブしている姿を観たりする。AIやアバター、Vチューバーなど顔を見せなくても表現できる世界が拡がる。

攻殻機動隊の草薙素子がみた世界観の片鱗が見え始めているのかな?と思ったりもする。



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