エッセイ 【僕の若い頃……】
1990年代に20代という青春時代を経験できて良かったなと思うことがある。仕事が終わって家に帰ると、必ず観たかったり、読みたいものだったりがあった。アニメていうと『ヱヴァンゲリヲン』なんかまさにそうで、毎週楽しみにしていた。そのころは録画というとVHSというカセット式の録画機械をセットして録画をしてみていた。
「アニメなんて、後でまとめて観た方が面白くないですか?」と若い人に言われると「確かにね」と答えるしかないのだけど、待っている時間も楽しかった。ジャンプやマガジンなどの漫画雑誌を読むことがすごく楽しかった子供時代の延長だったのかもしれないけど続きをみんなで語り合うのも楽しかった時代だった。
アナログとデジタルの中間的な時代だったしゲームもリアルに動き始めた世界で今のオープンワールド的な世界観よりは小さかったけど、拡がりを匂わしてくれるような期待感のある作品が多かった。セカンドライフというオープンワールドができたり、ファイナルファンタジーXなどのゲーム(オープンワールドのね)ができたりしていた。
僕らが子供のころはまさに「ドラクエ」「ファイナルファンタジー」の世界でもゲームでつながるというよりは、テレビとにらめっこして、そのあとに友達と話すみたいな感じだった。
コニュニティーがないと会話も成り立たないために「オフ会」というみんなで集まるというのが当たり前だったというか、会うのが前提だった気がする。あって話ができないとコニュニティーではなく、怪しい的なところも正直あった気もする。
手間がかかる分なんか温かい感じもしたし、会えた時にほっとして酒なの飲めないのに飲んでしまったこともあった。コミュニケーション能力はすごい人たちが多くて色々と話をしたのも楽しかった。
今もそうなのか?とも思いながら、きっと違うなとも思う。みんながあつまれるような居酒屋が減っているし、カラオケボックスなんでもうないといってもよくなった。
「飲みにケーションとか言ってた時代が楽しかったよ」と友達が言う。お酒が飲めない僕もそれは思ってしまう。「昔はよかった」という気はないけど、人の温かさのないものを食べるのが多くなっている気はする。
それでも生きているのだから、楽しくは生きていきたいと願う。
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