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如月の京都めぐり【大原 出世稲荷神社・三千院】
2月18日・19日、久々に京都の寺社を巡ってきました。
1日目は大原へ。数年前に訪ねた時は三千院の近くまで自家用車で行ったのですが、今回は京都バスを利用し、「戸寺」で降りて畑の間をてくてく歩いてゆきました。
大原観光保勝会が発行している「大原の里歩きマップ」の「風の道」をたどるコースです。
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この日の天気予報は雨。でも降ってはおらず、空一面に重い雲が広がる中、切れ間からひとひらの青空がいつも頭上に覗いている、そんな不思議なお天気でした。
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大原の里の道々には斜面に積み上げられた石垣が多く、あちらこちらに小川があり、常にどこからか水音が聞こえてくる風景。
もう花を付けているハコベやオオイヌノフグリ、タネツケバナなどを楽しみつつ歩くうち、なんと4羽の山鳥と出会いました。あの大きな体で軽々と羽ばたいていったのにはびっくり。
自然の中の色や音、動き。雨を連れてくるであろう湿った風にも注意を払いつつ、五感を豊かに巡らせての里歩きとなりました。
出世稲荷神社へ
三千院へと向かう「風の道」の途中にあるのが出世稲荷神社。
太閤秀吉が建立したと伝わるこの神社はあからさまに現世利益を追求するような名前なのですが、とても静かで落ち着いた雰囲気のお稲荷さんです。
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数年前に参拝した時には京都の千本通りから引っ越されたばかりで、境内はまだ雑然とした感じだったのですが、今回はすっきり美しく整っていました。
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丸いフォルムの狛犬さんも愛らしく、
「よく来たね~。久しぶり」
と、迎えてくださっているよう。
境内では近況をお話し、再び参拝できたご縁のお礼を申し上げました。
堂本印象の「雲龍図」
出世稲荷神社の社殿の奥の間には堂本印象が奉納した大きな龍の絵が飾られており、無料で見ることができます。
御朱印もいただきたかったので、窓口の奥にいた、高齢の女性に声をかけたのですが……少々耳が遠いらしく、まったく気付いてもらえません。結局、10回近く呼ばせていただいてやっと、御朱印をお願いしたいこと、奥の間へ通してもらいたいことを耳元でお伝えできました。
堂本印象の「雲龍図」はふわっとやわらかな線を持ちながらも大迫力。(残念ながら撮影禁止です)
以前、京都市北区にある「堂本印象美術館」を訪ねたこともあり、大好きな印象さんの龍を間近で見られたことがとても嬉しかったです。
「雲龍図」に向かい合うようにしてお祀りされている弁天様からは、今回も強いご神気を感じました。
こちらでも数年前からの近況をお話し、参拝できたご縁のお礼を申し上げました。
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帰り際、窓口にいた高齢の女性が丁寧に見送ってくださり、思わず深く頭を下げたくなるような、柔和な笑顔が心に残りました。
三千院へ
「風の道」をゆっくり歩き、出世稲荷神社でものんびり過ごしたため、三千院では16時30分の閉門に追われながらの参拝でした。
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それでも、元三大師にお参りし、庭園・聚碧園(しゅうへきえん)を眺め、往生極楽院へ。一番のお目当て、国宝の阿弥陀如来・勢至菩薩・観世音菩薩の三尊に手を合わせたところで、ちょうど時間切れとなりました。
(撮影禁止の所が多くて残念です)
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三千院を出た頃には雲が切れ、ところどころに青空が。「戸寺」バス停へと戻る道すがら、夕陽の差す景を楽しむこともできました。
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数年ぶりに訪れた大原、雨に降られず里歩きも参拝も堪能できてありがたかったです。
京都ではいつも左京区在住の長男が道案内をしてくれます。今回も方向音痴でマニアックな母に付き合ってくれて感謝です。
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