ふーふーふーやっと登った至仏山②

今日は尾瀬へお泊まりなので
ゆっくりで良いらしいが
さすがに誰かが気がついた

あれ。もう8時だよ
いつのまに！
６時から起きてたよね

口々にそんなことを言いながら
そろそろ行く準備をしなくては
ということでその前に
放牧していた羊を小屋へ戻すことに

さえちゃんに
走る役目をやってもらおうかな

はい？

これ持って
渡されたのは大きなガンガンと棒
※ガンガンは北海道の方言かもしれない

なんだこれ？

柵を開けたら羊が音の鳴るほうへ
向かってくるから
それを鳴らしながら小屋のほうへ走って

ええええーっ
あの速さで走ってくるんだよね
突進してきたらどうしよう

ドキドキドキドキ

準備はいいかーっ
お、おーっ！
大丈夫か私！

ドキドキドキドキ

柵が開いた

鳴らしてっ！　走って！

きゃーっ
ガンガンガンガン

羊たちが猛突進してくる～っ

きゃー
ガンガンガンガン
あはははは
きゃー
ガンガンガンガン
あはははは

だめだ
楽しすぎる


そんなエキサイティングな気持ち
冷めやらぬまま山の家を出発し
戸倉駐車場からタクシーに乗り
あっというまに鳩待峠へ到着

準備運動をして今日の宿泊先
至仏山荘へ歩きだした

今回のガイドでもあるようちゃん
樹木や花、色んなものに詳しくて
ひとつずつ教えて貰っていると
動物の鳴き声が

鹿のラッティングコールというらしい
今は恋の季節
オス鹿が縄張りの主張と
メス鹿を呼んでいるそう

鹿の声を聴きながら歩くわくわく感
なんだか自分が自然の一部に
なっていくようなそんな気持ち

クワガタや虫が穴をあけた落ち葉
いい香りのする樹液

クルクルとプロペラのように
回りながら落ちる種を飛ばしてみたり

↓「Y」の形をした実と葉
名前を教えて貰ったけれど

ほら見て、西城秀樹みたいだよね
みんなが「ワイッ」ってしてるよ

YYYYYYY！　ワイッ！と
西城秀樹押しでくるガイドようちゃん

私が西城秀樹として
覚えてしまったことは仕方ないと思う

靴紐が解けた
誰かが「あ...」と声を漏らし
振り向くと綺麗な紅葉があった
止まらなかったら見えなかった景色
そんな瞬間がたまらない

そうそう
私は数時間に一度は靴紐が解ける人で
実は昔からちょっとストレスだった

この時ようちゃんが教えてくれた
「ナガイさんが教えてくれた結び方」
名付けて「ナガイ結び」が絶対ほどけないし
かつ紐を引っ張るとすぐに解ける結び方で
今回一度も解けず下山できた

毎日職場でスニーカーの私
なんと尾瀬で靴紐ストレスフリーに！

やったぁ！やったよぅ！

YYYYYYY！　うーっ

ワイ！(西城秀樹