【南三陸町】美味しい海の幸はいかがですか
【南三陸町歌津】【金比羅丸】
私は北海道生まれの道産子。父が水産課で働いていたので引っ越しはいつも海の近くだったし海が好きだった。何時間でも海を見ていられたし、学校の帰りにランドセルを砂浜へ置いてシャツのまま友達と泳ぐことも。
2011年3月11日をきっかけにボランティアへ参加するようになり、たくさんの尊い命をうばった海はいつのまにか遠くから眺めるだけのものになっていた。
数年前。初めて南三陸へ連れてきてもらった時、海を見ながらお手伝いをした。お日様が海を照らしてキラキラしていたし、聴こえてくるのはかもめの鳴き声と波の音。そして漁師さんやお手伝いにきてる仲間やボランティア、みんなの笑い声と笑顔があった。
夜明け前に船は出る。物音で眼が覚めた私は作業服に着替える漁師さんや友人を見送った。吸い込まれるような暗闇の海をライトひとつで照らし出航していくのを見たときにその勇敢な姿に無事に帰ってきてくださいと心から祈らずにはいられなかった。
朝方になり寝ぼけつつ海を見ながら歯磨きをしていると船が帰ってきた。きた!!思わず肩にかけていたタオルを大きく振って船のほうへ走り出してた。
おかえりなさーい!!気がついた漁師さんたちは右手をあげて合図をしてくれる。
命がけで海へ出る漁師さんたちをきっと海のお母さんたちはいつも作業をしながら身を案じ待っているんだろうな。海の男は強い。そして女はもっと強い。
船から上がったばかりのメカブはなんだかグルグルしてて、結婚式で胸につけるコサージュみたいだった。なんだこれ。作業してる漁師さんに「このお湯につけてそのまま食べてみて。」と言われ、このままですか??と言いながら大きなメカブにかぶりついた。なんですかこれ!おいしい!!こんなおいしいメカブは初めて食べた。そしてワカメも。そんな私を見て漁師さんはニコニコしていた。
お昼になって友達と目をあわせた。「泳いでみる?」「もちろん!」隠れて水着を持ってきていた友人とふたりで「えい!」と海へとびこんだ。数年ぶりに泳いだ。海水。しょっぱい。仰向けになって手を広げ空を見た。
青い空。かもめが上を飛んでいく。
あー。思い出した。私は海が好きだった。
漁師さんが命がけでとってきてくれるおいしいワカメやホタテ。お母さんやお姉さまがたが寒いなか、ラジオを聴きながら笑ったりしながら作ってくれた塩蔵ワカメはいかがですか。
私の大好きな金比羅丸さんです。ぜひご賞味ください。
南三陸 金比羅丸さん
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