見出し画像

ほっこり冬合宿④

目が覚めた
静かにドアを開ける
まだ誰も起きてないみたい

よーちゃんとなおちゃんが
落としてくれた珈琲をカップへ注ぎ
薪ストーブの前であたたまる

パチパチという薪の音
寒さで曇っている窓ガラス
ストーブの前には子どもたちの冬靴が
並べられ温めてくれている

なんだか懐かしい
北海道の実家にいる時はいつも
お母さんが皆の靴を温めてくれていた

そのうち子どもたちがひとりふたりと
起きてくるのだけれど
電気はつけず頭にヘッドライトをつけ
こたつで温まりながら静かに本を読んでいる

面白いでしょ
だれも電気つけるなって言ってないのに
皆ヘッドライトなの
と教えてくれるよーちゃん

そういえば...
前にいずちゃんと2人で泊まったとき
漫画の本を読むのに布団のなかで
ヘッドライトを頭につけている彼女を見て
爆笑したのを思い出した

あれはここからきているのかと納得
なんだか小さい時のいずちゃんに
会えた気がして嬉しかった

さて今日は昨日より高い山へ行くそうだ

ひとり一台ソリを持って
お昼に食べる食料や薪や飲み物を
リュックへいれてしゅっぱぁつ!

上へ歩いていくと
雪が深くなってきた
野生の動物の足跡もあって
あれはウサギだよって教えてくれた
ピョンピョンって飛んでる足跡で
まだ新しいみたい!

まだ途中だけれどちょっと休憩
みんなで木に積もった雪を雪だまで
落としたり
遊びたい子は上からソリで滑ってきたりと
みんなの自由な雪遊びは止まらない

拠点へ到着するとすぐにソリ遊び!
誰も来ない雪の坂道が
そのままソリ遊びのコースになるのだ

昨日よりも長いコースを勇敢で頼もしい皆が
次々とソリで降りてくる

中にはスーパーマンみたいな格好や
正座して和尚さんみたいに降りてくる子もいて
ほんと怖いもの知らずなところや
手が凍える程冷たくても遊び続ける
みんなのパワーはとどまることを知らない

私はというと手袋が濡れて
冷たくなった子の手を温めたり
雪が入ってくるという子の袖口の雪をほろったり服を直したり写真を撮ったり

焚き火がついてからは
焚き火のそばから離れられない
あったかいよ
あったかい
いいかい道産子は寒がりなんだよ

お昼はパンにチーズやウインナーを
挟みあったかいスープ。
お外で食べると何倍も美味しいから不思議

そうそう マシュマロを枝にさして
焼いて食べたんだけど
まとが外れて唇火傷したわ
くぅぅぅう
ソリでケガじゃなくマシュマロで火傷は
ちょっと恥ずかしいので隠しておくことにする

午後もソリ!
私もすべったよー

前日は小学生に「さえは臆病者だからな」なんて言われたんだけど(だって怖かったんだもん!)その言い方も可愛いくて許せちゃうんだよね

その子が「こっちに曲がりたい時はこうで
こっちに曲がりたい時はこうだよ。」なんて一緒に滑りながら教えてくれたり、さえちゃん一緒に滑ろうと眼をきらきらさせながら声をかけてくれる
みんなやさしいのだ

よーちゃんがみんなのソリを紐で繋げて
連結させた。その数16両!

これがすごいの
最初の4両までは順調に滑るけど
それ以降はがくんがくんなって
振り落とされてばったばったと落ちる惨事(笑
普通そこで諦めると思うでしょ
違うのね

落ちた子達は誰も乗せずに滑り続けるソリを
走って追いかけるの
それでまた転ぶ子もいれば
飛び乗ろうとしてまた転んだりと大惨事

諦めないってすごいね
おまいら、さいこーだーっ!

夕焼けが綺麗なんて思っていたら
よーちゃんが隣で「まずいぞ」って呟いた

ん?

...俺たちいつもよりかなり
帰るのが遅い

どうやら私たち遊びすぎたみたい(笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?