A whole number(整数)

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著 東洋経済新報社)と
いう本をNHKの朝の番組をきっかけに一気に読みました。
いかに「読解力」が今後重要かについて書かれています。興味のある方は
一読されたらいいと思います。

その本の中で、大学生数学基本調査の問題が紹介されていました。
偶数(an even number)奇数(an odd number)を足すと答えはどうなるか、また、そうなる理由を説明しなさい」というものです。
答えは3つの選択肢から選ぶのですが、その理由の方が調査の主眼です。
偶数、奇数の定義を文字を使った数式で「一般化」しないとすべての
ケースにあてはまる証明ができません。

〔証明〕

前提としてすべての整数は偶数か奇数のどちらかになります。
偶数=2で割り切れる整数 ⇒ (一般化)2m   
奇数=2で割り切れない整数⇒ (一般化)2n+1 
(m、nは整数)
この2つの整数の和は 2m+(2n+1)=2(m+n)+1 となる。
m+nが整数なので、これは奇数である。

読解力の向上を目指すには、数学の場合、言葉の定義が出来て、
さらに数式に翻訳(数訳)できる必要があるので、まずは国語力が
重要という流れですね。
本質、概念や論理といったものを数学から学べるのでしょうが、
数学嫌いには数式に文字が登場しただけで拒否反応が出そうです。
但し、数学の考え方や答えを導くプロセスは大いに参考になります。

算数では計算の正確さ(結果)が大切ですが、数学では論理の
正しさ(プロセス)がより求められるんですね!





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