愛とか恋に、まだ答えがなくてもいいですか?
「愛ってなんだと思う?」
運転席に座る男の子が話しはじめる。
愛ね、愛。なんだろう。そんなこと急に言われても困るから、
なんだろうね。そう答えた。
この前まで3ヶ月くらい秋田にいた男の子は。
そこで出会った人生の先輩に「愛」ってなんだと思うと問いをもらったんだとか。
「その人は、踊ることで表現したりするんだって」
へぇ〜。
「身体表現とかあまりしたことがなかったからさ、なんか面白いなって」
愛って、そういうのもあるんだと、ちょっとびっくり。
「でさ、愛ってなんだと思う?」
うん、だから、わかんない。
人を愛する境地に達していないからなのか、大きいテーマすぎてよくわからないし。と、思いながらも、ぐるぐると考えを巡らせて、
愛しいってことかな?と答え、“いとしい”って、愛って書くじゃん?と続けた。
「確かに、そう書くね」
妙に納得したように、男の子は返事をした。
続けてわたしは、愛って大きすぎて想像できないから、愛しいならまだわかるかなって。と、話す。
「そうなんだよね、愛ってまだよくわかんない」
「愛しいって言われると、ちょっと身近になる感じするわ」
ふふっと笑って。男の子は運転を続ける。
伝わらなかったらどうしようと思ったけど、伝わったみたいでホッとした。
*
それから男の子は、過去の恋の話をした。好きってなんだろうねっていう話もした。
「人を好きになれないんだよね」
「人として好きな人は男女問わずたくさんいるんだけれど、恋愛とかになるとなくってさ」
それをわたしに言ってどうなるんだ。とは思ったけれど、照れながらも話してくれてたから、なんだか嬉しかった。
好きという感情はある。男女としての好きもある。
それでも、その先は?と聞かれたら、今のわたしにはまだ分からない。
やってみたいことが先行してしまうから、愛とか恋とかについて考えることができていないのもあるけれど、いつか分かるようになるのかな?
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