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愛とか恋に、まだ答えがなくてもいいですか?

「愛ってなんだと思う?」

運転席に座る男の子が話しはじめる。

愛ね、愛。なんだろう。そんなこと急に言われても困るから、

なんだろうね。そう答えた。

この前まで3ヶ月くらい秋田にいた男の子は。
そこで出会った人生の先輩に「愛」ってなんだと思うと問いをもらったんだとか。

「その人は、踊ることで表現したりするんだって」

へぇ〜。

「身体表現とかあまりしたことがなかったからさ、なんか面白いなって」

愛って、そういうのもあるんだと、ちょっとびっくり。

「でさ、愛ってなんだと思う?」

うん、だから、わかんない。
人を愛する境地に達していないからなのか、大きいテーマすぎてよくわからないし。と、思いながらも、ぐるぐると考えを巡らせて、

愛しいってことかな?と答え、“いとしい”って、愛って書くじゃん?と続けた。

「確かに、そう書くね」

妙に納得したように、男の子は返事をした。

続けてわたしは、愛って大きすぎて想像できないから、愛しいならまだわかるかなって。と、話す。

「そうなんだよね、愛ってまだよくわかんない」
「愛しいって言われると、ちょっと身近になる感じするわ」

ふふっと笑って。男の子は運転を続ける。

伝わらなかったらどうしようと思ったけど、伝わったみたいでホッとした。

それから男の子は、過去の恋の話をした。好きってなんだろうねっていう話もした。

「人を好きになれないんだよね」
「人として好きな人は男女問わずたくさんいるんだけれど、恋愛とかになるとなくってさ」

それをわたしに言ってどうなるんだ。とは思ったけれど、照れながらも話してくれてたから、なんだか嬉しかった。

好きという感情はある。男女としての好きもある。
それでも、その先は?と聞かれたら、今のわたしにはまだ分からない。

やってみたいことが先行してしまうから、愛とか恋とかについて考えることができていないのもあるけれど、いつか分かるようになるのかな?






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