幸せとは。
夏の夜の匂いがする頃。
鈴虫がコロコロと鳴いてる夜。
なぜだか分からないけど、君のことを思い出してしまった。
君は、体は男だけど心は女性っていう人だったね。
そして、ことある事に「私が女の子じゃないから…」って気にしてたよね。
その度に、「そんな事ないよ。君が男だろうと女だろうと、僕は君の心が好きになったんだから。性別なんて関係ないよ。」ってなだめてたよね。
君を落ち着かせるつもりで言った訳じゃなくて、本当に君の事を好きだから言ったんだな。って今振り返っても思うよ。
そんな君のことが気になって、ふとLINEのアイコンを見てみた。そこには、大好きだと言ってた友達2人と笑顔で写ってる君が写っていた。
「あぁ、君は今幸せにやってるんだなぁ」
ふとそう思うと、少し僕の心が報われた気がした。
君から別れよう。って言われた時に、なんで僕は引き止めれなかったんだろうって今になれば思う。
君ほど僕のことを想ってくれた人はいなかったし、君ほど僕のことを見てくれた人はいなかった。
僕が鬱になった時も、40度近くの熱を出した時も、君は文句の1つも言わず寄り添ってくれたよね。
僕に君を幸せにする力があれば。
って思うけど、きっとそれは間違っていて。
僕に君を幸せをする努力の気持ちがあれば。
だろうな。
もし、万が一、君とよりを戻せれたとしても、
僕は君を幸せにする自信がないし、幸せにしようと思い続ける力がないと思う。
そこで、ハッと気づいた。
だから君は、
「大学を卒業して、もしまだお互い付き合ってる人がいなかったら付き合おう?」
って言ってくれたのかな。
卒業して、自分に余裕が出来たらもう1回好きになって。って事なのかな。って思った。
都合いいかもしれない。でも、僕はそう思ってしまった。
そう思うと、嬉しいと寂しいが少し、沢山の悔しいが溢れてきた。
頑張ろう。
まずはやるべき事をやろう。
君と別れてから1年。ようやくそう思えれたよ。
遅いかな?まだ間に合うかな?
君を幸せにしたい。
言葉だけじゃなくて、行動で示したい。
多分、最初からそう思って、言葉で表現するという行動に移したんだろう。
今まで君にはわがまま言ってきたけど、もし最後にわがままを聞いてくれるなら、
「もうちょっとだけ、待っててください。僕が絶対幸せにします。だから、もうちょっとだけ待っててください。」
だろうな。
多分これが君に対しての最後のわがままになると思う。
情けないね。
でも君には情けない姿を沢山見せてきたから、これくらい笑って許してくれるんじゃないかな?っていう甘い気持ち。
このセリフを言う時が来るまで、
幸せでいてね。