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英語はなぜ難しいか?     (音声練習編①)

 今回から、英語の音声を実際に出す練習(聞き取りに直結する)についてお話する。予め言っておくと、練習内容よりも練習しようと思う方がキツい。マインド設定が特に重要なジャンル(とりわけ日本人には)であり、「英語はなぜ難しいか?音声編①〜⑤」を先に読むことをお勧めする。

 まずは、本記事の要約をしておく。

英語と日本語の「音」の違いとその重要性を理解したら、実際に自分でも出せるようになりたくなる(ハズ)。まずは、重要かつ日本語speakerが苦手とする「子音だけ発音」を練習する。「d」を歌うように出すと良い。それが出来たら、「g」も同じように練習する。出せる音が増えていくのは、大きな喜びだ。

 なお、「音声練習編」で紹介する英語の発音練習に関しては、既に多くのEnglish speakerが記事にしている。中には、口の形をイラスト入りで丁寧に説明している記事もある。「英語 発音」などで検索すると大量にヒットするので、発音の重要性を理解したor理解しつつある読者は、是非とも参考にしてほしい。私の記事は、マインド設定に重点を置いている(単に、図解する技術が私に無いだけ?😅😅)ので、上手く使い分けて頂ければ幸いだ。

①音声編の復習

 最初に、音声編の復習を簡単に。重要項目を並べておく。

・英語は、日本語とは大きく異なる音の体系をもつ言語。日本社会にいると、出せない・出そうと思えない音があることを、意識しよう。

・声は息、音は口・舌の形が担当する。英語学習においては、後者が特に重要だ。

・英語のリズムにのるには、音楽が有効。話すというよりも、歌うという感覚をもつと良い。

・最初から上手く出来るなら、誰も苦労しない。出来なくても自分を責めない、止めない。諦める(本来、「明らかにする」という意味。古文単語の「明らむ」が語源)のはモウマンタイ(無問題)。

②なぜ発音練習が必要か?

 発音の重要性と、その効果について述べておく。ゴールした時の「ご褒美」が見えないと、人はなかなか努力できない。英語の発音が出来るようになると、どのような利点があるかを列挙する。

・correct pronunciation(絶対の正解がある訳ではない。会話が成立するか否か)が身につけば、聞き取り力が向上する。

・音が運ぶ「イメージ」が何となく分かるようになる。未知の単語の意味を推測できるようになり、暗記もスムーズに進む。

・音読が正しく出来るようになり、英語のリズムとして「正しい英文か否か?」の判断ができるようになる(もちろん、文法的な判断も重要)。

・広くヨーロッパ言語を学ぶ際に有利。音に着目するようになれば、ヨーロッパ言語の「重なり合い」が見えてくる。大学入学後の第二外国語学習が楽になる(私はメチャクチャ苦労した😅)。

③子音だけ発音

 まずは、日本語にもある音を用いて練習しよう。「ダ(da)」「デ(de)」「ド(do)」と言ってみよう。その際、息が出ていることを確認してほしい。

 次に、母音(a、e、o)を消すイメージで「d」と発音する。説明の都合上、3つの母音を紹介したが、「ド(do)」から「o」を抜くイメージを持つのが実践的だ。「母音を消す」感覚は今後もずっと重要になる。ポイントは「息を弱める」「同じ音を立て続けに出す」の2点を意識することだ。以下、詳しく説明する。

 「息を弱める」は、日本語speakerには難しい。日本語はほとんどの発音で息を出しており、「息を出さない=話していない」と、無意識に判断するからだ。この感覚(価値観?)を変えるのは難しい。私は、音声編で何度も「マインド設定が重要」と述べた。精神論を振りかざしているのではない。それくらい、無意識に刷り込まれていることを変えるのは大変だ、ということが言いたいのだ。

 また、「頑張って発音しよう」と力むと、余計に息が強くなってしまう。「語気を荒げる」という表現がある。感情が高まると、日本語speakerは声が大きくなる(=息を強く出す)ことが多い。これに対して、英語speakerは早口になるor高い音を出す(他にもパターンはあると思う。人それぞれだ)傾向にある。つまり、日本語speakerが英語の発音を練習する際には、頑張る方向を変える必要がある

 息を出さないようにするためには、「同じ音を立て続けに出す」方法が有効だ。「ドゥ・ドゥ・ドゥ・・・」とテンポ良く、速く言おうとすれば、「ゥ」の音が自然と消えていく。カンの鋭い貴方は、気づいただろう。そう、これは「歌」である。上手く発音しようとするよりも、上手く歌おうとする方がイメージしやすい、私はそう考えている。初めのうちは、「連続して発音すれば出来るが、単体だと息が出てしまう」という現象が起きやすい。それでも構わないので、少しずつ練習しよう。

 「子音だけ発音」は、多くの言語の基本だ。発音練習における最重要項目だと思って取り組んでほしい(でも、上手くいかなくても自分を責めない!)。

④どんどん発音しよう

 「d」が発音出来るようになったら、次の音に進む。学習において大切なのは、そこそこ出来るようになったら、次に進むことだ。どうせ、一周目で完璧になったりはしない。それに、基本かつ重要な考え方は何度も登場する。先に進んでも、復習することになるのだ。この連続性を意識しているのが、いわゆる「勉強が出来る」人なのだと思う。「単元」「進度」「テスト範囲」などは、全て便宜的なものである。

 閑話休題。「d」が出せるようになったら、「sad」を発音してみよう。「s」は日本語のサ行とは異なる音(鼻から息を抜くようにして発音する。次回以降の記事で説明する予定)だが、細かいことは気にしない。出せる音が増えた喜びを一つずつ噛みしめてほしい。多くの日本語speakerが「サッド」と発音しているなか、貴方は「サッd」と発音出来ている。まずは、それで十分なのだ。

 「d」が出せるようになれば、「g」も出せるようになる。「d」の練習と同じように、「グ(gu)」から「u」を消すイメージで、「g・g・g・・・」と発音する。「g」が出せるようになったら、「dog」がmother tongue speakerのように発音出来る。

 今回はここまでだ。「d」と「g」を子音だけで発音出来るようになってから、次回以降の記事に挑戦(?)してほしい。それでは、ツァイ ツェン(再見)!

100回失敗したら、どうするかって?  101回目をやってみてから考えるよ。



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