【unity】避けては通れない”処理落ち”対策【第9回】
「ゲーム制作において、ハイエンドPCだけが求められるわけではない」
ゲーム制作において、最適なPC環境を選定する際には、常にバランスが重要です。ハイエンドのPCは、確かに高性能であり、多くの場合、最新の技術や機能を駆使して高品質なゲームを開発するのに役立ちます。しかし、ユーザーのほとんどがハイエンドPCを所有しているわけではありません。むしろ、一般的なユーザーは、さまざまなスペックや性能を持つPCを使用しています。
ここで重要なのは、ユーザーが持っているPC環境に合わせて、ゲームを最適化することです。つまり、プレイヤーがミドルレンジやローエンドのPCを使用している場合でも、快適にゲームをプレイできるような最適な環境を提供することが必要です。
そのためには、開発者はハイエンドPCだけでなく、さまざまなスペックや性能を持つPCでの動作をテストし、最適化を行う必要があります。また、ゲームのリソース使用量や負荷を抑えるための工夫も欠かせません。例えば、効率的なコーディングやリソースの最適化、負荷分散の仕組みの導入などが挙げられます。
このように、ゲーム制作においてはハイエンドPCだけでなく、一般的なユーザーが持っているPC環境にも配慮することが重要です。バランスの取れた制作環境を整えることで、より多くのプレイヤーに楽しんでもらえるゲームを提供することが可能となります。
「LODの活用:ゲーム制作における負荷軽減の具体的手法」
LOD(Level of Detail)は、ゲーム制作において描画負荷を軽減するための重要な手法の一つです。このチュートリアルでは、LODの一般的な使い方と具体的な導入方法を解説します。
LODの基本概念の理解:
LODは、プレイヤーの視点やカメラの位置に応じて、オブジェクトの解像度を適切に切り替える仕組みです。プレイヤーがオブジェクトに近づくと、高解像度のモデルが表示され、遠ざかると低解像度のモデルが表示されます。
UnityでのLODの設定:
Unityでは、LOD Groupコンポーネントを使用してLODを設定します。オブジェクトにLOD Groupを追加し、LODレベルとその対応するモデルを設定します。
プロジェクトビューでLOD Groupを右クリックし、
"Add Component"から"Rendering" -> "LOD Group"を選択します。これにより、LOD Groupがオブジェクトにアタッチされます。
LODの各レベルの設定:
LOD Groupを選択し、Inspectorウィンドウで"Size"を変更してLODの数を指定します。LODの数が多いほど、プレイヤーの視点により細かな解像度の切り替えが行われます。
各LODレベルごとに、距離と対応するモデルを設定します。距離は、プレイヤーとオブジェクトの間の距離で、それに応じて対応するLODレベルが適用されます。
LODのテストと調整:
ゲームをプレビューして、LODの動作を確認します。プレイヤーがオブジェクトに近づいたり遠ざかったりすると、モデルの解像度が適切に切り替わることを確認します。
必要に応じて、LODの距離やモデルの切り替えポイントを調整して、最適な設定を見つけます。
LODの導入により、ゲームの描画負荷を軽減し、プレイヤーにより快適なゲーム体験を提供することができます。
「Simplygonは高い!?
無料のProBuilderでLOD対応モデルを作ろう!」
とはいえ低解像度のモデルを用意するのが意外と大変なんですよね
Simplygonという最強のサービスがありますが、なかなか個人でサブスクライブできる金額ではないのでこれは諦めます
そこで私はProBuilderをつかっています
ProBuilderには、UV編集から不要ポリゴンの最適化などの機能がありますので割と簡単に低解像度のモデルを作成することが可能です
既存のオブジェクトをローポリゴン化するざっくりとした
手順をご紹介します
オブジェクトの準備:
Unityプロジェクト内に、ローポリゴン化したい元のオブジェクトを準備します。これは、3Dモデリングソフトウェアで作成したオブジェクトや、他のソースからインポートしたオブジェクトなどが該当します。
ProBuilderの導入:
UnityのAsset StoreからProBuilderをダウンロードし、プロジェクトにインポートします。ProBuilderを使用することで、Unity内で直接オブジェクトのポリゴン数を編集できます。
オブジェクトの選択:
シーンビューまたはヒエラルキービューから、ローポリゴン化したいオブジェクトを選択します。選択したオブジェクトがハイライトされます。
ProBuilderの起動:
Unityのメニューバーから「Tools」→「ProBuilder」を選択し、ProBuilderウィンドウを表示します。または、ショートカットキー「Ctrl + Shift + B」を使用してProBuilderウィンドウを開きます。
オブジェクトの編集:
ProBuilderウィンドウで、「Object」タブを選択し、オブジェクトの編集モードに入ります。編集モードに入ると、オブジェクトが編集可能な形状となります。
オブジェクトの各面を選択し、不要な面を削除したり、ポリゴンの数を減らしたりします。不要な部分や細かいディテールを削除して、シンプルな形状にすることがポリゴン数を削減するポイントです。
UVマッピングの調整:
ProBuilderのUVエディターを使用して、オブジェクトにテクスチャを適用します。必要に応じて、UVマッピングを調整して、テクスチャの配置を最適化します。
ファイナライズと保存:
編集が完了したら、ProBuilderウィンドウの右上にある「Exit ProBuilder」ボタンをクリックして、編集モードを終了します。変更が適用され、Unityのシーンにオブジェクトが更新されます。
最後に、ローポリゴン化されたオブジェクトを元のオブジェクトとは別に保存します。このようにすることで、元の状態に戻すことができるため、ファイル名やディレクトリ構造を適切に管理することが重要です。
以上の手順で、元のオブジェクトを保持しながら、ローポリゴン化したオブジェクトを作成することができます。
「ゲーム開発におけるオブジェクトプールの効果的な活用法」
敵のリスポーンは、ゲームのパフォーマンスに直結する重要な要素です。しかし、頻繁に敵を生成・破棄することは負荷が高く、効率的な方法が求められます。その解決策として、オブジェクトプールを活用する方法があります。
オブジェクトプールは、プログラムやゲーム開発において利用される効率的なデザインパターンの一つです。これは、コストの高いオブジェクト(例:メモリやCPUの負荷が高い)を事前に生成しておき、必要な時に再利用することで、パフォーマンスの向上やリソースの節約を実現します。具体的には、オブジェクトプールでは、オブジェクトを生成し、利用後にプールに戻すことで、生成と破棄のコストを回避します。これにより、再利用可能なオブジェクトを効率的に管理し、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。特に、頻繁に生成・破棄されるオブジェクト(例:敵キャラクター、パーティクルエフェクトなど)の場合に効果を発揮します。
では、簡単な導入手順の一例を紹介しますね
プールの作成: ゲーム開始時に、一定数の敵オブジェクトを事前に生成し、プールに格納します。
リスポーン時の利用: 敵がリスポーンする際には、プールから敵オブジェクトを取り出し、再利用します。これにより、新たなオブジェクトの生成と破棄の負荷を軽減します。
再利用と管理: リスポーン後、敵が不要になったら、プールに戻して再利用します。これにより、ゲーム内のオブジェクトの効率的な管理が可能になります。
最適な容量の維持: プールの容量は、ゲームの要件に応じて適切に設定される必要があります。容量が少なすぎると、敵がリスポーンできなくなる可能性があり、逆に多すぎるとメモリの浪費につながります。
オブジェクトプールを導入することで、ランダムリスポーンやステージリスポーンにおいても、敵の再利用が可能になります。これにより、ゲームのパフォーマンスが向上し、プレイヤーエクスペリエンスが向上します。
「Testプレイしながらパフォーマンスとにらめっこする」
出来る処理は何でもやっておきたいです、処理が重くてもっさりした動きになるとそれだけでプレイヤーはストレスを感じますから
ポストプロセスもがっつりかけたいけど、処理が重くなってしまうならそれはどうなのってなってしまいますからね
冒頭にも述べましたが、自分のゲームをプレイしてくれる人が全員ハイスペックな環境で遊んでくれるとは限らないことを忘れてはいけません
プラットフォームがスイッチやPS5のように限定されていればそれだけを機にすればいいですが、PCやモバイルの場合ユーザーのゲーム環境はまちまちです
せっかく遊んでくれた人がBad評価をストアに押すのは悲しいことです
(シンプルにゲームの評価なら仕方ないですが)
少しでも快適な挙動で遊んでもらう、少しでもかっこいいグラフィックで遊んでもらう
そのためにテストプレイはプロファイラーウインドウとにらめっこしながら
何度も確認して調整します
ポストプロセスなんかはオプションでオフにできるといいですね
今日は「処理負荷」について書きました
今日記述したほかにも普段から使っているスクリプトの見直しなどでパフォーマンスが改善することもありますよね
何に負荷がかかっているのかを理解しないとこの辺は改善しません
超地味でつまらない作業が続きますが、こればかりはやっていくしかないですね
次回は UI について少し触れていこうかと思います
ここまで読んでいただきありがとうございました
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