閉店前に店内の照明が落とされていて思ったこと
先日、食料品を買うため、閉店間際(10分前)にドラッグストアに入店したところ、真っ暗でこそないが、「暗い」という表現がまさに最適と言える暗さとなっており、陳列されている商品の上には既にシートがかぶされていた。
正直、こんなことが日本でもあるのかと驚いた。「日本でも」というのはかつて暮らしていたマレーシアでは決して珍しいことではなかったからだ。
私が暮らしていた当時のマレーシアでは閉店時間近くになると、ショッピングモール内のテナントの雰囲気が打って変わり、店員は店じまいを始め、そんな時間に商品を買おうとすると、どこか嫌な顔をされたものだ。
あくまでも私の推測だが、現地では閉店時間=アルバイトの業務終了時間という認識だったのだろう。現に閉店10分前にはいかにも帰宅準備を進めているし、閉店時間になると彼らはいち早く店を後にしていったのだから。
そして、日本もこの路線を歩みつつあるのだろうか。昔はお客様至上主義を貫き、閉店時間が少し過ぎてもなお若干は御厚意で対応してくれたイメージがあるが、今はそうでもないのかもしれない。
ただ、これに対して私はそこまでネガティブな印象を抱かない。というのは、前もって分かっていれば少し早めに来店するという形で対処できるためだ。実際、マレーシアで生活していたときも私はそれを踏まえて行動していた。
また、大学生になってアルバイトしてみて新たに知ったとある事実も影響している。
私は塾講師として働いていたのだが、人件費の圧縮及び時間外労働防止の観点から安易に予定時間を超えて働かせてもらえないのだ。いや、正確に言うと、時間外で働くこと自体は認められるが、その対価は支払ってもらえないのだ。
どうやら管理職としては、たとえバイトが時間外労働を強いられたとしても、その事実が記録として残らず、また、給与を支払わなくて済むのであれば、データ上はクリーンな会社として評価されるので、問題がないらしい。
(働いていたという記録が残っては給与を払わざるを得なくなり、また、給与を支払うには働いていたという記録が必要である)
しかしながら、バイト側としては、クリーンな会社像を演出するためにその時間働いていた事実を抹消されてはたまったものではない。
そんな残業分のバイト代が付かない可能性もあり得るバイト側の事情も理解できることから、営業時間中に閉店準備を進めていても批判的には感じない、むしろ同情してしまうところさえあるのだ。
それに、日本では若干お高いが、コンビニが24時間営業をしているので、急用であればそちらで代替することができる。
(コンビニの24時間営業もまた社会問題となっているが)
そういったわけで、私は営業時間内にも関わらず照明が落とされているその他閉店準備が進められていたとしても、それに対して批判的な印象は持たない。ただ、強いて言えば、ギリギリまで通常、営業している店の対応が突如変わると驚くので、店先にその旨を告示してもらえると助かる次第である。
引用:Gurney Plazaホームページ(2023/12/16)