これから指圧師が出来ること
先日の話ですが、v.p荒木と業界最大級の展示会と言われる"からだケアEXPO"に行ってきました。
この展示会。最新の施術機器や経営メソッドなどのブースが所狭しと並んでいるんですが、その中で、僕が1番印象に残ったのは"AI"による姿勢分析を研究しているブース。
昨今、毎日テレビやニュースを見ていて、"AI"や"チャットなんちゃら"という言葉を聞かない日がないくらいになりました。
そうです。
僕らの業界にも着々と波が押し寄せてきています。
「なんだかんだ指圧の仕事はロボットには置き換えられないよね」
なんて、周りの反応を見ながら恐る恐る発言している人をよく見ますが…。(僕もそれ)
そうも言ってられないぞこれ。というような印象を受けました。
確かに、指圧の技術自体をロボットが人間と同じようにすることはなかなか難しいとは思います。
しかし、今回のAIブースを見て、
「近い将来うかうかしてられないぞ」
そう思ったんです。
AIってすごい
AIの説明をここでするつもりはありませんし、どちらかというと僕はこの手のものに関して情弱中の情弱なわけで、Wordと Excelがギリなわけで、詳しい人に聞いてくれ的な感じなのですが、でもやっぱりAIはすごいなぁと思いました。
今回僕が体験したのが、写真を撮るだけで姿勢分析をしてくれて、どこの筋肉が硬くなっているかを画像でわかりやすく表示される。その後、簡単な説明やケア方法を教えてくれるというもの。
そうです。僕らが毎日やっているようなことを瞬時にこなしてくれるわけです。
写真を撮っただけで。
しかも、AIですから、膨大な量の情報から弾き出しているので、かなり的確な指摘だと感じました。
なんなら人間にありがちな"感情の浮き沈み"や"忘れる"といったことがないので、毎度的確な指導をしてくれる。
写真を何枚か撮るだけで、誰でもできてしまうという恐ろしさ。
しかもこれからもっともっと情報がインプットされるので、まだまだ成長する…。
将来的に写真を撮るだけで、どこの施術をすれば身体が良くなりますみたいな画面が映って、そこを指圧師が押すだけという世界が来るのかもしれません。(いや、その指圧をするのもロボットなのかも…)
「僕らが今まで一生懸命勉強してきたことはなんなんだ」
「もうこれでいいじゃん」
一瞬ですが、そう思ってしまいました。
ですが、いやいやちょい待てと。
まだまだ我々がやれることはあるんではないか?
ビールを飲みながら考えました。
AI vs 人間
最近は、"これから無くなる仕事50選!"
のような、本やネットの記事をよく見るようになりました。有名なところで銀行員や受付業務などでしょうか。
我々指圧師はどうでしょう。
客観的に見て、派手ではないものの、これからの時代をぬるっと生き残れるポテンシャルはあるような気もします。
ここでよく聞くのが、"人間の手はロボットに替えられない"という話。確かに人間にあってロボットにないものはたくさんありますよね。
それこそ"てあて"の語源になるような、手の温かみや温もりはロボットに表現できないものだと思いますし、何よりも手で触れられることへの安心感はなににも変え難いものです。
しかしですよ。
今回のコロナ禍がいい例ですが、"コロナ前、コロナ後"なんて言葉が普通に使われるようになり、人々の価値観がガラッと変わってしまいましたよね。
ですから、受ける側、すなわちお客さんの価値観も今後変わっていくことは当然です。
「別に指圧ってロボットでもよくね?喋らなくて済むし」
みたいな人が増えてきてもおかしくないというか、もうすでにこの層は一定数いそうな気がしているんです。
AIに問診され、ロボットの指圧を受けて、ピッと電子マネーで帰る。みたいなスマートなお店が近々できてもおかしくないですよ。
人間にできること
じゃあ人間の我々はなにができるのか?
僕なりの結論は、かなり真逆なことを言いますが、これからは"リアルな個人店"の時代になると思うんです。
以前こんなnoteを書いていますので、こちらもチェックしてみてください。
"リアルな個人店"
これは、サブスクが主流になってきていて、リモートなんて言葉が当たり前になった世の中からすると、明らかに時代に逆行しているのかもしれません。
以前、僕は知り合った同業の方から「1人で物件借りて商売するなんて度胸ありますねぇ」なんて少し馬鹿にされた感じで言われたことがあります。
今ならシェアスペースや場所借りで商売されているお店なんかも色々ありますしね。
SHIATSU CAMPのイベント事業に関しては、様々な人に関わってもらっていますが、STORE(実店舗)に関しては1人で経営しています。
僕は、以前もnoteで書いていますが、指圧師の皆さんには開業をお薦めしています。
そして、開業をしたら次にしなくてはならないこと。
それは、ファンをつけるということ。
これからの時代は、ユーザロック先生のマス対コアではありませんが、確実にコア層に響くサービスをミニマムにしていくことが大切になってきます。
"指圧を受けたい"ではなく、"〇〇の施術を受けたい"または"〇〇に会いたい"と思われることができるかどうかなのではないでしょうか。
ですので、まず自分の拠点を作り、キャラクターを育て、オリジナル性を出していく。
それがAIと対抗していく1番の方法であり、確実な考え方のような気がしています。
AIにあなたはいないんですからね。