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ミーハーでも哲学が好き!

はじめに:哲学を勧めた理由を考える

このnoteを書こうと思ったきっかけは、病んでいる姉との会話でした。

「本読みなよ。頭いいんだから、哲学者の有名どころから手をつけてみたら?」と提案したところ、即答で「嫌や」と返されました。その一言に拍子抜けした一方、同時に思った。「なんで私は姉に哲学を勧めたんだろう?」と。

多分、私自身が哲学に救われたことがあったからだと思うんです。救われたというと大層ですけど、でも確かに変わるきっかけは貰えたのだと感じます。
哲学者たちの考えを知ることで、選択肢が増えたり、自分の悩みを相対化できたりした経験があったから、姉にもそれを感じてほしかった。でも、それを押し付けるのは違うとも思った。だから、このnoteを通じて自分の気持ちを整理したかった。そう仮置きしましょう。


私のお気に入りの哲学者たち

哲学が好きだ、と言いつつ。私が好きな哲学者の理由となると、その人の考え方、ではないんです。考え方以上になんか、直観。だから自分はやっぱりミーハーだなと思うんです。でもこれでいいとも思いたいんです。

  • 二宮尊徳
    「尊徳」って名前が素敵すぎる。教科書で「そんとく」と読んでいたけど、本当は「たかのり」らしい。その響きや字面が、すごく価値がある感じがして刺さった。そして報徳思想。「恩返し」や「恩回し」を大事にする考え方が、自分の中で生きている。名前の美しさと思想がリンクしているようで、子供に付けたい名前ランキング第1位だ(まだ迷うけど)。

  • サルトル
    サルトルの顔――というか表情――が好き。どこか刺さるものがある。サルトル自身、自分の顔を好きじゃなかったらしい。でもそのコンプレックスから「人間は自由の刑に処されている」なんて深い考えが生まれるところが凄い。自分の欠点だと思う部分が、考えを生む起点になることがあるんだと教えてくれる。

  • 西周
    顔が面白い。特に写真の「どこ見てるの?」感がツボ。でもその裏で、哲学という言葉を始めとして、多くの外国語を日本語に訳してくれた偉業がある。笑いながら感謝する。彼がいたからこそ、彼らが生きた明治があったからこそ、日本で日本語を使って学習する環境が整っているんだと実感する。


哲学がくれる安心感

私的に哲学って、もう現世にいない方々の考えを学ぶこと(勿論ご存命の方もいるけど大多数て意味)だと思ってるんです。

彼らは読んでる私が何を思おうとどう解釈しようと、反論しないし、傷つかない。自分に合う部分だけを選んで受け入れられる。それが私には気楽で、とてつもなく心地いいんです。
しかも、彼らの考えは私に選択肢をくれるんです。選択肢の数を増やしてくれるんです。
例えば、外見のコンプレックスで悩むとき、サルトルのように「それを力に変える方法もある」と学べる。毎日何も楽しくないって思った時、道元みたく「それこをが悟りに至る修行」と思ったり。勿論修行なんてこっちとしてはする気が欠片もないんですが、なるほど私には関係ないがこれを修行とする人もいるのかって、なんかほっとするんです。


哲学を通じて伝えたいこと

本当は、私の親や姉に伝えたい。「人の話を聞くのって、最終的に自分のためになるよ」って。
でも直接言うと角が立つから、こうしてnoteで遠回りして書いています。いつか目に留まることを信じて。でもって私に言える勇気が起こることを信じて。そんでもって、伝わる度量が身内に備わることを願って。
なんでしょう、悲しきかな、友達Aが言ってたよ、より、有名人Bが言ってたよ、の方が説得力があるという言説がありますよね。私の身内がそうなんですけど。
でもそんな人でも、哲学者なら有名人に該当するのでは、と。哲学者の考えなら、評価されてきた分、受け入れやすいかもしれないと期待してる面もあるんです。
ミーハーでもノリと勢いとかでもいいから、少しでも誰かの考え方を知るのは、自分を豊かにできることだと知ってもらえたら。そう願ってやみません。


哲学への入り口:おすすめの哲学書

ところで、哲学って興味はあっても、どこから触れたらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。と言いつつ、私も最初は高校の教科書で目にした哲学者の写真や名前から入ったミーハーなので紹介クオリティが高いとは申し上げ難いのですが。
でもだからこそ、哲学に全く触れたことがない人でも入りやすい本を挙げれるのではないかと期待したいのです自分に。

  • 「センスの哲学」(鷲田清一 著)
    何気ない日常をセンスの目で見つめ直す視点を提供してくれる本。言葉も平易で、哲学に構える必要なんてないんだと感じさせてくれる。でもって次何読んでみようって候補が思い浮かびやすい。

  • 「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」(小林昌平 著)
    タイトル通り、「こんな悩みを抱えてる人って他にもいるのかな?」と思う人にピッタリ。哲学者たちの名言や考えをもとに、現代人の悩みにヒントをくれる一冊。

  • 「哲学と子ども」(永井均 著)
    子どもの頃に戻ったような気分で、素朴な疑問をじっくり考えるきっかけを与えてくれる。難しい言葉は一切使われていないので、哲学に抵抗がある人にもおすすめ。

  • 「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」(山口周 著)
    哲学的な美意識を現代社会やビジネスに活かす視点が詰まっている。哲学の実践的な側面に触れることで、「哲学って実は役に立つかも」と思える内容。

これらの本を手に取ってみると、哲学って単語のわりに意外と難しく考える必要がないんだと感じてもらえるのではないでしょうか。
興味が湧いた人は、ぜひ一冊でも読んでもらえると大変大変幸せです。
あなたの考え方や世界の見方が少しだけ変わるかもしれない、そんなもしかしたらを願っています。
まぁ本当は、身内に読んでみてほしい本なんですけどね。


おわりに

高校の倫理の先生が面白かったのと、哲学者の写真がツボだったから。
哲学にハマった理由というには、本当におこがましいくらい中身がない理由なんです。本当にそれだけ。
授業で学んだことは覚えていないことの方が多い現状ですけれども、直感で「これ好きだ」と思った考え方だけは残っています。
ミーハーだからこそできる気軽な楽しみ方だなと思うところでもあります。

気張らずに哲学を好きでいたい。
私が、私をそう許したいと願ってるのかもしれません。


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