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韓国で音楽文化を長年育んできた"楽園楽器商店街"へ

動画から切り出したので低画質のスンテクさん

2022年冬。

韓国ではジャズサクソフォン奏者として活躍され、現在東京都内で管楽器修理を勉強されているイ・スンテクさんと、スンテクさんのご実家ご近所さんでサクソフォン奏者のパク・ギュヒョンさんにお会いしました。

旅行で少しだけ訪れた間に現地で活動されるプロたちから、日本と似て非なるお隣さんのサクソフォン事情を伺ってきました。


ソウルに2箇所の楽器店街

ソウル市内で楽器店が集まる有名な街が、漢江の南北にそれぞれ一つずつ。

南部の”瑞草洞楽器通り”は、オペラハウスやコンサートホールなどを擁す「芸術の殿堂」、韓国版芸大といえる韓国総合芸術学校の近くに位置しています。こちらは、主にクラシックの演奏家たちが集まる街でした。

楽器が集まる"楽園"とは

今回訪れたのは、漢江の北のもう一つの楽器商店街。

奥に見える水色6文字の看板の建物が”楽園”

漢江の北、楽園(ナグウォン)楽器商店街は、洋服の卸売市場で知られる東大門などの観光スポットからも程近い立地。ギターやサックスのポピュラー音楽で使われる楽器を中心に、大小様々な楽器店が数多く集まって入居している一つの建物でした。

趣味として始めようとするビギナー層も、プロたちを追ってこの商店街に多く訪れるようでした。エントリークラスの楽器は在庫があるアピールもあるのか、箱のまま店頭に並べてある様子を見ることができました。

偽物じゃないよ、と証明するためにも箱を前に置いてるらしいです
12月に韓国ツアーをされた角野隼人さんのサインも
一つのお店でこれだけの本数!
国産サクソフォンだとヤナギサワ強し
セルマーのヴィンテージも
電子ピアノは国産多めでした
見たことのないメーカー
キャンディダルファー使用モデルだそう
在庫の数!
中古マウスピースの売買も盛ん
ギター、そしてPA機器まで様々なラインナップでした

韓国で楽器を買うとしたら?

日本より浸透したネットショッピング

元々、楽器購入は実際に状態や音色などを細かく確認してから購入することが一般的。部活動でもピアノの習い事でも、街の楽器店に家族で行ってみて、数多いメーカー、機種の中から本人に合う楽器を購入することが多いのではないでしょうか。楽園楽器商店街でお店の方にお伺いしたところ、少しずつ実店舗よりはネットが比率が高まっているそうで。

インターネットの中にカフェ

実際の画面

さらに、韓国にはインターネットカフェという文化があります。日本のそれとは異なり、実店舗ではなくネット上で人が集まるカフェを目指されたサイトのこと。各分野にこうしたサイトがあり、同好会の働きをしています。

「サクソフォンの国」というサイトでは、演奏会情報から中古楽器売買、が楽器共同購入など、個人でも同じ趣味を嗜む人々が連絡を取り合えるようになっており、すでに20年ほどの歴史を持っているとのこと。ネットでの情報収集が欠かせない時代に、ビギナーだけでなくプロの多くも集うコミュニティに簡単に加入できるとあって、交流も活発なようです。


前田 直哉
鹿児島県出身。第17回日本ジュニア管打楽器コンクール銀賞受賞。第23回日本クラシック音楽コンクール1位なしの2位。第22回KOBE国際音楽コンクール優秀賞を受賞。アジアユースオーケストラ2018にて、世界11都市を巡るツアーに参加。これまでにサクソフォンを土田まゆみ、有村純親、國末貞仁、須川展也、本堂誠の各氏に師事。現在、東京を中心に演奏活動を行うほか、韓国・KBS交響楽団公式YouTubeチャンネルなどにて韓国語翻訳・通訳を務める。東京サクソフォーンオーケストラメンバー。

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