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雨燦々(勝手に小説)

KingGnu雨燦々のMVから小説化
怒られたら消します


雨が
嫌いじゃなくなったのは
いつからだったんだろう

蝉の声がうるさいし
雨が降りそうな暑い休日

久々に掃除でもとやりだしたら
上手く言えないけど
蝉の声だけがして
だけど周りが静かで
そういえばと
ぼんやりと思い出した

あの子は蝉が嫌いだったな

自転車で帰る時に蝉が顔に激とつしてきたとかで、蝉の声を聞くたびに舌打ちをし、フクロウですか?っていうくらい首を360度回して辺りを警戒していた

死んでいる蝉は爆弾だと言って私に避けさせ、動くと、ほら、嘘死にだって怯えていたっけ

あの夏は特別暑かった

ほぼ2人しかいない演劇部だったのに、夏休みに何もないのも悔しいなどという理由でわざわざ学校に来ていた

あまりに暑くてプールで涼もうとはなったもののなぜか言い争いになって教室からプールまで競走になってしまった

走って行く途中の誰もいない教室や廊下はいつもと違って静かで偽物のような気がした

偽物の私たちだけの世界

プールまでとは言ったもののどうするのかと思っていたら走っている手を掴まれ、そのままプールに飛び込むことになった

それを合図かのように大粒の雨が降ってきて、どうせ濡れたじゃんと2人で二カーと笑った

2人きりの練習
黒板に描いた夢の舞台装置
木の下で食べるカップラーメン
キレイな入道雲を見ながら自転車で帰る道

あの子は今幸せだろうか?

やるはずだった劇も中止になり、私は転校してしまった

あんなキラキラした毎日を忘れてしまった

いや、今は眩しすぎて忘れてしまいたいだけだろう

あれは、紛うことなき青春だった

雨が好きなのも
カップラーメンが好きなのも
夏が好きなのも
蝉を恐れずにいられるのも

きっとあの子のおかげだ

今頃、あの子も思い出して
また二カーと笑っている

今の私のために

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