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都市公園の未来④ これからの公園を考える課題と基本方針



10万箇所と言われる都市公園の8割を占める小規模な街区公園では、前項のようなコミュニティ運営が求められますが、残りの2万箇所の公園は、近隣公園など一定規模を備えるため、都市の魅力化に向けてより積極的な活用が可能だと考えます。

都市の魅力化に向けた都市公園を検討するために、「公園とテーマパークとの違い」を整理してみると、無料⇆有料、自主行為⇆鑑賞行為という整理軸が設定されます。そして近年の動向として、より高度な環境ニーズへの対応が求められ、その整備・維持のための、「一定程度の収益事業の並存」という領域が浮かび上がってきます。また自主と鑑賞との中間の「半主体的な関与」という領域も想定可能です。公園とテーマパークの中間領域に次世代の都市公園が「位置付け」られそうです。

次に今後の都市公園に求められる「役割・機能」を想定しみます。上位概念となる「都市」では「人口増加、通勤を伴う業務・商業の集積」ではなく、「人口減少、EC・テレワークの進化」を前提にするため、業務や商業機能に代わって、わざわざ通い集う目的となる都市機能が求められます。「働・生産」機能から「遊・文化」機能へのマグネット価値のシフトと言えます。

この視点で都市公園を考えると、現状の緑化・保全、健康増進やオープンエア活動などの「余白的な役割」から、未来の都市においては、劇場などのフォーマルな発信機能などと共に、「オープンな交感・発信舞台」として、都市の魅力の「中核的な役割の一翼」を担うようになると考えます。従って未来の都市公園に求められるアクティビティ・ツールとしては、芝生広場やカフェテラスなどの「散策・休憩」環境だけでなく、新たに「オープンな舞台」環境が求められるのでは無いでしょうか。

さらに都市部における公園の主要ユーザーの想定は、子どもでは無さそうです。ここではユーザーイメージとして「Worker とPlayer」を想定し、利用目的として「深化・内交と拡張・外交」を設定します。この二つの軸で生み出される4象限で未来の公園のプロトタイプを例示してみます。

① Worker×内省・深化:アーバン禅庭 ②Worker×遊交・拡張:言葉の庭 ③Player×内省・深化:大人のプレイパーク ④Player×遊交・拡張:お祭り広場

次回以降で解説しますが、プロトタイプを検討する際に大切なことは、オンライン1stの時代に「公園が都市の魅力発信地の一翼」を担えるかどうか?これまでとは異なる水準のサービス環境を、ユーザーが「半主体的」な関わりで運営を支え、整備・管理いけるのか?ということだと考えています。

【noteメンバーシップ:ツギ・マチ・ラボ(次世代の都市・街づくりラボ)を解説しました。都市開発や街づくりに関心をお持ちの方の参加をお待ちしています】

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