転機を超えてゆけ 〜2021年 今年の振り返り〜
今年もいよいよ残すところ5日あまり。
振り返ってみると、色々あった1年だった。備忘録として書いておこう。
わたしの2021年は「迷」の年
日本漢字能力検定協会による、毎年恒例の世相を表す「今年の漢字」が京都の清水寺で発表された。
選ばれた一字は、「金」だそう。
一年以上続いたコロナ禍において、東京オリンピック・パラリンピックでの選手たちの活躍を表す「金メダル」や、やはり新型コロナウィルス関連の「給付金」から発想する人が多かったようだ。
一方、わたし個人の2021年を表す漢字は、「迷」だ。
というのも、今年は生活も気持ちもアップダウンが激しく、常に正解を探してうんうん唸っているような一年だった。どうでもいいが、元来ノーテンキなわたしにしては珍しい。
それは、6月に起こったことをきっかけに、今までわたしの中になかった問いが投げかけられたことに端を発する。
毎日、「人として」「管理者として」「家庭人として」というような枕詞を頭につけて、自分に課せられていると思い込んださまざまな「責任」でいっぱいいっぱいになっていた。
この後、自分の残りの人生とこれから自分ができる事について悩み迷った結果、逃げることを選択した。
それが正しかったのかどうかは今でも確信が持てない。
ただ、そこに居続けるのは苦し過ぎ、自分の人生を「正しく」過ごすよりは楽しんで過ごしたいと思ったのだ。
責任の塊からフリーになって
転職を決心した頃に、友人が新しい仕事を紹介してくれた。
彼女はわたしが今の状況から逃げ出し、尚且つそこで知ってしまった問題意識も忘れないよう、背中を押してくれたのだ。感謝。
そんな幸運もあり、わたしはフリーになった。
自由であればあるほどの迷い
ようやく時間ができて、自分が目指す目標に向かって猛進しているかと言えば、そんなことはない。
そもそも、コールセンターで働こうと思ったのは、自分が組織のリーダーとして機能するのかを試してみたかったからだった。
そのきっかけとなったのは、キャリアカウンセラーとして従事しながら、もっと自分の専門性を高めクライアントの役に立つために知識を増やしたいと学び続けるなかで出会った理論と仲間たちだった。
その頃のわたしは、やる気と目的意識が服着て歩いていると言われていた。
なのに、あの時感じていた情熱は、一つの挫折で萎んでしまった。
自分でもびっくりするほど簡単に。
時間の制約が緩くなったおかげで、しばらくは、暇さえあれば昼寝をしていた。
自分がこんなにも疲労困憊だった事に気づいた。そして、勤勉さって怠惰には勝てないんだなぁ、と実感もした。
その後、さすがに運動不足が気になり始め、ピラティスとゴルフを習い始めた。
今まで通勤以外に意思的に体を動かすことをしなかったせいか、こんなにも自分自身の身体や呼吸を制御することが難しいということを知った。
思いがけず訪れた「自由」のなかで、わたしの体は少し元気になった。
でも、次に何をやりたいのかは決めかねている。
これは久しぶりに訪れた、わたしの人生の転機なのだなぁ、と思う。
転機を超えてゆけ
キャリアの勉強をしていると必ず習うのが「シュロスバーグのトランジション理論」。
「トランジション」とは、すなわち人生の「転機」のこと。
シュロスバーグは、人生の転機を3つの種類に分け、それをピンチではなくチャンスに変えるための4つのリソース(4S)を提唱している。
転機の種類3つ
・予期していた転機
・予期していなかった転機
・予期していたのに起こらなかった転機
「予期していた転機」とは、進学や昇進、結婚や出産など。それが何かの理由で起こらなかった場合は「予期していたのに起こらなかった転機」となる。
「予期していなかった転機」は、病気や事故など。
わたしのように、思いもかけず仕事を辞めて新しい環境に置かれるのも、これに該当するのかな。
生活の中でこのような変化(転機)が起こったときに見直したいのは、自分自身が持つリソースだ。
点検すべき4つのリソース(4S)
1. 状況(Situation):自分自身の状況 この転機の原因は?どう捉えているか?
2. 自己(Self):自分の性格や価値観、スキルなど
3. 支援(Support):家族や友人、有益な情報や専門家など
4. 戦略(Strategies):上記3つのリソースを使ってどう対処するか
自分自身に起こった転機を客観的に把握し、それに対する自分自身が持っている「武器」を点検して戦略を立てる、という考え方だ。
戦略は、立ち向かうことだけを意味するのではない。状況に応じて撤退するのも、重要な戦略だ。
自分が転機を自覚してみて一番難しいと思うのは、まずはその状況を受け入れることだ。
自分で希望した変化だった。
状況としては、天涯孤独になるわけでもなく一文なしになるわけでもない。むしろ今までよりも余裕のある生活をできると思っていた。
なのに、それにうまく適応できない自分自身にイライラした。どうしてこうなっちゃったんだろうと、過去の決断や考え方を反芻し、反省しまくった。
いうまでもなく、どんな人でも、人生はさまざまな転機の連続だ。
それがすごく好ましい変化だとしても、人は変化に弱い。
それを当たり前として捉え、その時自分が持っているもので乗り越えていくしかない。
どんなに過去の自分を改良しても、時間は前にしか進んでいかないのだから。
そして、いつでもどんな時でも、私をSupportしてくれる家族や友人たちにお礼を言いたい。
今年もどうもありがとう!来年もどうぞよろしくね。
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